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視覚障害者と読書

映画やTV、インターネットによる動画配信・・・私たちの身の周りには映像娯楽があふれていますが、わが国30万人の視覚障害者はそれらを見て楽しむことができません。それだけに、視覚障害者が「読書」から得られる楽しみの大きさは健常者以上です。

視覚障害者用の図書には、点字図書・録音図書があります。一般の書店では販売していませんので、点字図書館が自ら製作しなければなりません。協力してくれるボランティアを募り、養成して、活字の図書を1字1句、点訳あるいは音声化しています。

製作した点字図書と録音図書は、全国の視覚障害者に郵送で貸し出します。これらは特別な郵便物なので、無料で送ることができます。また、近年はパソコンの普及によって、点字図書・録音図書はデジタルデータ化され、視覚障害者がインターネットを介して自宅にいながら読書することもできるようになりました。

日本点字図書館は、1940(昭和15)年11月10日、盲目の青年・本間一夫が25歳の若さで創立しました。発足当初の蔵書は、点字図書がわずか700冊。長い年月のあいだ幾多の苦難を乗り越え、今では点字図書・録音図書をそれぞれ約2万数千タイトル保有し、全国の視覚障害者に年間約15万タイトル貸し出す日本最大の点字図書館となりました。しかし、わが国で1年間に出版される活字図書は約7万数千タイトル。それに比べれば、当館の蔵書はほんのわずかです。「視覚障害者が自由に読書できる」そのような環境が望ましいのですが、まだまだ、とてもかなわないのが現状です。

視覚障害者は、読書をしている時は身の不自由を忘れるものです。それは、書物の世界が自由と明るさと癒しを与えてくれるからです。
「1冊でも多くの図書を作りたい。」
これが、日本点字図書館の願いです。

点字図書・録音図書イメージ

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