トップページへ

ここから本文

点字利用と読書に関するアンケート調査の結果について

当館では、点字利用者の読書意識や点字利用の実態を把握するため、利用者へアンケート調査を行ないました。

1.目的

点字利用者の読書意識や点字利用の実態を把握し、当館の図書製作に活用するとともに、点字図書や点字が今後どのような使い方、使われ方が良好なコミュニケーションツールとして展開できるかを探る手がかりにする。また、利用者に点字を使うことによるメリットを聞き、点字普及の材料とする。

2.調査対象

調査対象者に点字のアンケート調査票を郵送。また、メール、大活字版を準備し、希望者に送付した。

3.調査方法

日本点字図書館(以下、日点)の利用者 600人(直近5年間で点字図書を借りた人)

4.調査期間

平成25年10月5日〜10月22日

5.回答者数

231人(回収率 39%)

6.結果と考察の概要

点字図書、録音図書をどのように使い分けているかを様々な場面について聞いたところ、次のような回答であった。
録音図書はニュースのような速報性のあるもの、雑誌のような雑学的、娯楽的な情報へのニーズが高い。これらは、広く浅い情報であり、情報量も多い。じっくり座って聞いてばかりはいられないので、通勤中や家事をしながらでも聞くことができ、しかも早聞きができる録音図書を好む人が多い。一方、学習や調べ物ものなどの、正確性を求められるもの、しっかり覚えたいものは回答者の8〜9割の人が点字を利用している。ニュース性のあるものでも、人名や固有名詞を正確に把握したい場合なども点字を選択する。また、「調べもの」の際に約9割の人が「辞書」を挙げている。
図書情報課では、話題の本や著者を紹介する「図書館からのお知らせの手紙」を毎月1回発行し、月初めの貸し出し図書の中に入れている。今回の調査では、回答者の35%の人がその手紙から選ぶと回答しており、一定の効果をあげている。今後も、利用者に幅のある読書をしてもらうために、「図書館からのお知らせ」をさらに充実させたい。
視覚障害者にとって日常生活で同じような形の物を識別することは、特に大きな課題である。設問2-9「普段の生活で、どのような場合に点字を使用していますか?」では、「物の識別(CD,容器、薬、本、衣類、冷凍食品、衣類の色・柄、郵便物など)」と回答した人が38人、回答者の51%を占めており、同じような物を識別するのに点字がいかに便利なのかがかわかる。この点は中途視覚障害者に点字を普及させる際に是非伝えたい点である。中途視覚障害者の中には点字を難しいと考えて、最初からあきらめてしまう人がかなりいる。実際に図書を読めるようになるのは難しくても、単語程度の点字を読めるようになる人は比較的多く、そうすれば点字で物を識別することができるようになる。生活のQOLの面からも、点字は重要なツールである。
設問3-9でわかるように、生活の様々な場面で点字表示が求められている。近年、共用品・共用サービス(ユニバーサルデザイン)の普及により、洗濯機のような家電商品、ビールなどの酒類の缶、電車の車内ドアへ点字表示が普及してきている。点字表示の普及は、健常者の世界への点字の広報であると共に、視覚障害者と共に生活しているということを伝えている。当館には様々なメーカーのかたが相談にみえるが、今後も引き続き共用品・共用サービスの普及に協力していきたい。

報告書の詳細はこちら


本文 おわり

補助メニュー