平成30年4月11日(水曜日)から平成30年7月14日(土曜日)
共催:手と目でみる教材ライブラリー
ふれる博物館 正式オープン企画
『モナ・リザ』あるいは『ラ・ジョコンド』と呼ばれるこの作品は、世界中でもっとも有名な、そして謎に満ちた肖像画である。現存する彼の肖像画のなかでは、もっとも大きい。
レオナルドが『モナ・リザ』を描き始めたのは、第二次フィレンツェ時代、1503年頃のことと見られている。ただし、その10年ほどあとのローマ時代とする意見もある。このように見解が分かれるわけは、『モナ・リザ』の制作に関する確実な資料がないためだ。
彼は、アンボワーズに『モナ・リザ』『聖アンナと聖母子』『洗礼者ヨハネ』を携えて移り住んだといわれている。ここを訪れたルイジ・ダラゴーナ枢機卿(すうききょう)の一行が、三点の絵画を目にしたという記録も残っている。そのなかの「ジュリアーノ・デ・メディチに依頼されたフィレンツェのある貴婦人」の肖像こそが『モナ・リザ』ではないかと考えられているのだ。
この作品の傷みは激しく、後世に何度もニスを塗られたため、全体が黒ずんでしまっている。ニスの厚みを減らす試みもなされたが、レオナルド本来の色彩を取り戻すには至らなかった。 モデルの女性が宝石も髪飾りもつけておらず、非常に地味な服装をしているところから、喪服を着用しているのではないかという推測もなされた。しかし、ニスが色彩のコントラストを弱めてしまっていることは確かで、黄色い袖はもっと鮮やかだったことだろう。 また、衣服の胸元を飾る刺繍は、幾何学的な細密模様になっている。これも、もともとは金糸の美しい柄であったに違いない。このように複雑に絡み合う幾何学模様はレオナルドの好んだ図柄で、彼のサインとも見なされている。
レオナルドのメカニカルドラムは、大きな太鼓を乗せた荷車です。持ち手を引いて車輪を回転させると連結している歯車も回り、これには杭がたくさん差し込んであり、その杭で10 本のドラムスティックを弾いて太鼓を叩き演奏をします。さらに杭の位置でリズムを変えて演奏もできます。
レオナルドのエアリアルスクリューは、宙に浮く原理として、空気には密度があり、その空気を圧縮し、かき分ける事で上昇するという考え方です。大きなスクリューで目に見えない空気の存在を利用するというアイデアが素晴らしく、その美しいらせん状のフォルムからダ・ヴィンチのヘリコプターと呼ばれる事が多くあるようです。
レオナルドは、兵器の発明も多く、この装甲車は、新しい移動法として考え出されました。古代から考案されていた亀の甲羅を思わせる装甲車で、敵の攻撃を跳ね返し、また大砲を360°配置する事で威嚇しながら進む装甲車だったのです。しかし、この巨大な装甲車は、動力不足もあり実際に戦場で使用される事はありませんでした。
レオナルドの外輪船は、河川での交通手段を前提として考えられています。動力には、上流へ向かう際に大きな推進力が必要なため、すでに原理として他の技師により考案されていた水車羽(外輪)を使いました。水車羽に動力を伝える仕組みとして、箱型ギアやペダルの利用を図示した事は、他の技師とは全く違う考案です。
レオナルドの自走車は、ラフなスケッチではあるが複雑な構造で構成されている事がわかります。2つの逆回転をするはめば歯車と渦状バネに加えて、発進時一気にバネが戻らなように時計のエスケープメントレ(脱進機)以た構造や、小さな部分ではあるが、バネを巻くためにブレーキのような役割をする部分さえ描き込まれています。
レオナルドのカタパルトは、当時すでに知られた兵器に、新しくバネ仕掛けを利用して再研究したもののようです。特にバネ仕掛けの部分について、いくつものパターンをスケッチしていたようで、本当の研究はカタパルトとしてではなく、その構造の方だと推測できます。レオナルドには古い兵器も興味探く映ったのでしょう。
旋回橋は、片岸に支柱や滑車などを備え、そこを起点に橘を旋回させる構造です。これは、河川の交通手段である船の往来を妨げること無く対岸への交通路の確保というアイデアです。しかも橋を外した状態は、軍事的に敵の進軍をくい止める事もできるのです。レオナルドの軍事技師としての側面が見える発明のひとつです。
印刷技術自体が新しい発明だった時代に、作業の自動化や安全性にまで着目し大きく発展させたのがレオナルドの印刷機です。ウォームギアと歯車にレバーを作動させる事により、紙を乗せた台を動かし、版を強く押し付け印刷するという一連の動作ができました。レバーを戻すと台と圧盤が元の位置に戻ります。
レオナルドのマシンガンには、銃身の角度調節のための仕組があり、移動を容易にするためと方向を素早く変えるために大きな車輪が作られています。火薬や弾丸の装填に時開がかかるという問題が起りますが、多くの銃からの一斉攻撃は脅威になり、武器としての効果は大きいでしょう。
レオナルドの回転式大砲のスケッチは、実際に撃ったかのように描かれていました。猫かれた砲弾は詐裂弾になっており、無数の散弾が飛び散っているさまが見事に表現されていました。大砲の土台は固定式で、重量感のある砲身は角度調節ギアとウォームねじで調節し、上下の角度を決定できます。
この図は、古代の建築家ヴィトルヴィウスの著書「建築論」第三書・第一章に基づいて描かれた。人間が四肢を広げると円のなかに収まり、両手を広げ、両足をつけて立つと正方形に収まることを示している。
レオナルドは人体の構造を研究するために解剖学を学んだが、その発端は画家としての探究心だった。人体比例や筋肉の仕組み、動き方を知ることが目的である。
人間の身体は万物の尺度の基準となるという考えにのっとり、初期では、胴や手足の長さ、太さなどを線密に計測していた。 レオナルドは、この図を自著「絵画論」に挿入するつもりだったのかもしれない。