平成30年8月17日(金曜日)から平成30年12月22日(土曜日)
共催:手と目でみる教材ライブラリー 協力:自然科学研究機構 国立天文台
本企画展は、平成30年12月22日(土曜日)に終了いたしました。
多数のご来場に感謝いたします。
宇宙にはどんな天体があるのか、地球を出発していろいろな天体などの模型をさわってみましょう
宇宙には、真空であったり、ほとんど重力がなかったり、宇宙放射線が降り注いでいたり、地球とは異なる環境があります。地球の400キロメートル上空を回る国際宇宙ステーションでは、そのような環境を利用して、地上でできない実験や研究が行われています。また、地球から比較的近い天体を詳しく調べるため、惑星や小惑星などに探査機が送られています。
サターンV(サターンファイブ)型ロケットは、アメリカの使い捨て方式の液体燃料多段式ロケットです。1967年から1973年にかけて取り組まれた、アメリカ航空宇宙局(NASA)のアポロ計画や、地球を周回した宇宙ステーションであるスカイラブ計画で使われました。6年間で計13機のサターンVが発射されました。全高(110.6メートル)、総重量(3,038.5トン)、搭載物重量(月軌道で47,000キログラム)などの項目で、史上最大のロケット。これらはギネス世界記録として認定されています。
アポロ13号は、アメリカのアポロ計画の3度目の有人月飛行です。アポロ計画とは、NASAによって取り組まれた月への有人宇宙飛行計画です。この人類初の宇宙飛行計画は1961年から1972年にかけて実施されました。計画終了までに6回の月面着陸を成功させ、全部で12人の米国宇宙飛行士が月面に足を踏み入れました。アポロ13号は、1970年4月に打ち上げられましたが、月に向かっている途中で機械船の酸素タンクが爆発するという事故に見舞われてしまいました。これにより目的の月への着陸は断念しました。しかし、数多くの困難を乗り越え、3人の乗組員は無事に地球に帰還することができました。このことからこの計画は『成功した失敗』といわれています。
スペースシャトルは、アメリカの有人宇宙船です。1981年から2011年にかけて、135回打ち上げられました。シャトルは、オレンジ色の外部燃料タンク、白色で細長い2本の固体燃料補助ロケット、宇宙飛行士と貨物を搭載する軌道船(オービタ)から構成されています。シャトルは、繰り返し使用することをめざしていて、巨大な外部燃料タンクなどは使い捨てでしたが、オービタは繰り返し使用されました。展示されているシャトルは、宇宙に行った5機のうち、エンデバー号の模型です。エンデバー号は、2011年の引退までに25回の飛行を行っています。エンデバーは日本人宇宙飛行士との縁が深く、毛利衛さん、若田光一さん、土井隆雄さんが搭乗しました。
はやぶさは、2003年5月9日に日本の宇宙科学研究所(ISAS)が打ち上げた小惑星探査機です。全高1.5メートル、全幅1.5メートル、全備質量510キログラムの小型探査機です。2005年夏に小惑星イトカワに近づき、表面を詳しく調べた後、物質のサンプルを採取しました。重大なトラブルが発生したにもかかわらず、月以外の天体からのサンプルを持ち帰るサンプルリターンに、世界で初めて成功しました。
その後継機である「はやぶさ2」も、2014年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げられています。「はやぶさ2」は、人類が訪れたことのない小惑星「リュウグウ」との往復航行をする宇宙船で、2018年6月に、「リュウグウ」に到着しました。2019年11月から12月まで滞在して小惑星内部の砂の採取に挑みます。2020年に地球へ帰還する予定になっています。
小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載されたカメラONC-Tにて、リュウグウの上空5~6キロメートルから撮影された画像をもとに作成。
画像は2018年7月20日(高度約6㎞)と8月1日(高度約5㎞)に撮影。
縮尺:約6,700分の1
データ提供:JAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研
神舟(しんしゅう)5号は、中華人民共和国(中国)の有人宇宙飛行「神舟」計画の一環として打ち上げられた有人宇宙船です。2003年10月15日に、甘粛省と内モンゴル自治区の境にある衛星発射センターから長征2号F型ロケットによって打ち上げられました。乗船者は中国空軍の楊利偉(ヤン・リィウェイ)中佐。高度343キロメートルの円軌道を14周回(約21時間)した後、モンゴル自治区の草原地帯に着地しました。楊中佐も無事に帰還しました。中国では初、当時のソビエト連邦、アメリカ合衆国に次いで3番目有人軌道飛行となりました。
地球から近い、太陽系内の天体には探査機を送ることができますが、太陽系の外まで送ることは極めて困難です。例えば、太陽から最も近い恒星、ケンタウルス座アルファ星までスペースシャトルで行こうとすると、直線距離で18万年程度かかってしまいます。
そのため、望遠鏡で天体からの光を集めて調べるのが、宇宙を調べる重要な方法となります。
1608年にオランダで望遠鏡が発明されました。その翌年、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが自作の望遠鏡を夜空に向け、それまで誰も見たことのなかった月のクレーターや木星の衛星などを発見しました。人類は、望遠鏡という科学技術を手にすることにより、肉眼では見えなかった暗い天体や、詳細な構造を見られるようになったのです。
ガリレオの望遠鏡は、2枚のレンズを組み合わせた屈折望遠鏡です。筒の両端に、宇宙からの光を集める凸レンズと、人がのぞくための接眼レンズがあります。
より詳しく宇宙を調べたいという探求心から、人類は技術を発展させ、より大きな望遠鏡を作ってきました。ハワイ島マウナケア山頂にある日本のすばる望遠鏡は、現在における最先端の望遠鏡のひとつと言えるでしょう。今では、凸レンズを使った屈折望遠鏡に代わり、凹面鏡をつかった反射望遠鏡が主流になっています。すばる望遠鏡の中心部には、直径8.2メートルの世界最大級の一枚鏡があります。望遠鏡の持つ広い視野と優れた性能を活かして、最も遠い銀河の発見や、太陽以外の恒星の周りをまわる惑星の撮影など、数々の研究成果をあげています。
夜空の星々を結んで人や動物などの形にみたてたのが星座です。たまたま同じ方向にある星同士を結んでいますが、地球からの距離が同じわけではありません。例えば、北の夜空に見え、北極星を見つける目印となる「北斗七星」の7つの星までの距離はそれぞれ異なります。模型をさわって確認してみましょう。
私達は、「天の川銀河」または「銀河系」とよばれる銀河の中に住んでいます。私達の銀河は、直径約10万光年の円盤の形をしており、その中に太陽のような恒星が約1千億個集まっています。私達は円盤の中から、そこにある星々を見ています。それが、夜空に帯状に広がる天の川となって見えています。銀河の中央部には「バルジ」とよばれる星々の集まりがあり、中心には、太陽の約400万倍の質量の超大質量ブラックホールがあると考えられています。
※ 1光年(こうねん)とは、光が1年間かけて進む距離です。約9兆5000万キロメートルに相当します。1光年の距離からは、1年前に出発した光が地球に届いています。つまり、1光年先からは、1年前の様子が見られることになります。太陽から最も近い恒星は、約4光年の距離にありますが、4年前の様子を見ていることになります。このように光の速さが有限であるため、より遠くを見ると、より昔の宇宙を見ていることになります。
私達の地球は、太陽系の第三番惑星です。それぞれの惑星が太陽からどのくらいの距離にあり、この企画展で展示している探査機はどのくらい遠くまで行ったのでしょうか。展示をさわりながら太陽系の広がりを体感してみましょう。
※「天文単位」は太陽・地球間を1とした距離の単位(1天文単位は約1億5000万キロメートル)
鉄の惑星、氷も存在。
太陽系最小の惑星である水星の中心部には、直径の3/4ほどの巨大な鉄の核が存在する。水星には大気がほとんどなく、昼は430℃、夜はマイナス170℃と温度差が大きい。北極や南極付近の深いクレーターの中には、太陽光が当たらない部分があり、氷があることが確認された。
距離 0.4 天文単位(3.2光分)
平均表面温度 167 ℃
太陽系で最も熱い惑星。
大きさから地球の双子星ともよばれる金星だが、似ても似つかない環境を持っている。大気の主成分である二酸化炭素(CO=jが温室効果を起こし、表面が500℃近くもある灼熱の惑星である。地球より太陽に近く、水が宇宙空間に逃げていったと考えられている。
距離 0.7 天文単位(6.0光分)
平均表面温度 464 ℃
水と生命の惑星。
液体の水が表面にあり、生命の存在が確認されている唯一の惑星。氷、水、水蒸気がすべて存在できるのは、太陽からちょうどよい距離にあるためである。
太陽系の外に多くの惑星が発見されているが、第2の地球は見つかるだろうか。
距離 1.0 天文単位(8.3光分)
平均表面温度 15 ℃
赤い惑星。
赤い鉄さびを含んだ表土でおおわれているため、赤く見える。かつて大量の水が流れた跡と見られる地形が多く発見されており、現在でも地表面の土から水分が検出されている。北極と南極には、主にドライアイス(二酸化炭素の氷)でおおわれた極冠がある。(※2018年7月31日地球に大接近)
距離 1.5 天文単位(12.7光分)
平均表面温度 -65 ℃
しま模様と巨大な渦。
地球の11倍の直径をもつ太陽系最大の巨大惑星にも関わらず、自転スピードがとても速い。そのため高速の風が吹いていてしま模様がつくられる。
表面には様々な大きさの渦があり、大赤斑とよばれる巨大な渦は、地球よりも大きい。
距離 5.2 天文単位(43.2光分)
平均表面温度 -110 ℃
巨大で薄い環。
環の直径は土星本体の倍以上あるが、厚さはたった数十メートルから数百メートルしかない。千以上の細い環が集っており、それぞれ直径数センチメートルから数メートルのおびただしい氷や岩の粒子からなる。土星本体は太陽系の惑星の中で一番密度が低く、比重は水よりも小さい。
距離 9.6 天文単位(1.3光時間(79.3光分))
平均表面温度 -140 ℃
望遠鏡による観測ではじめて発見された惑星。
自転軸が大きく傾いており、横倒しの状態で自転している。
距離 19.2 天文単位(2.7光時間)
平均表面温度 -195 ℃
太陽系最遠の惑星。
青い色をしているのは天王星と同様に、大気の層に含まれるメタンが赤色の光を吸収するため。
距離 30.1天文単位(4.2光時間)
平均表面温度 -200 ℃
太陽から近い水星、金星、地球、火星の4つは、小さな惑星で、地表で覆われた岩石惑星です。その外にある大きな惑星、木星と土星は、ガス惑星です。木星が太陽系最大の惑星で、直径が地球の約11倍あります。 土星の外側には、天王星と海王星があります。巨大な氷の塊がガスをまとった氷惑星で、直径がともに地球のおよそ4倍です。
ダウンロードはこちら[PDF版]
点字版もご用意しております。
ツイート