ふれる博物館
第3回企画展 ルイ・ブライユの生家と指で巡る東京名所観光 協力:筑波大学附属視覚特別支援学校、国土社、共用品推進機構

本企画展は、2019年9月28日(土曜日)に終了いたしました。
多数のご来場に感謝いたします。

2019年6月26日(水曜日)から2019年9月28日(土曜日)まで

※8月10日・14日は休館です。

共催:手と目でみる教材ライブラリー
協力:筑波大学附属視覚特別支援学校、国土社、共用品推進機構

15歳で点字を発明したルイ・ブライユと、見えない人の文字・点字のことをまとめて調べてみよう!

開催にあたって

ある検索サイトでは、子どもたちの検索キーワードで、点字の発明者「ルイ・ブライユ」の名前が、4年連続で人名トップになりました。これは、小学4年生の国語の授業などで、点字のことを取り上げる学校が多いためだそうです。
そこで、ふれる博物館では、小学校の夏休みにあわせ、点字の考案者ルイ・ブライユと、点字にまつわる機器、点字がついた品々を紹介する企画展を開催することにしました。子どもたちだけでなく、大人の人にとっても満足いただけるよう、点字図書館ならではの、こだわりの展示品を揃えました。多くの人に点字の世界にふれていただける体験型の企画展です。

フランスにあるブライユの胸像


1. 点字より前に考えられていた、さわる文字

いろんな方法を考えていたよ

ムーンタイプ

ムーンタイプ画像
提供:手と目でみる教材ライブラリー

イギリスで考案され、点字考案以後も使用された凸線文字。行を往復して読むという特徴があります。

通心玉

通心玉 画像
レプリカ

大小2種類のガラスの玉を、結び目をさかいにして、上と下に分けて並べて文字をあらわします。

折り紙文字

折り紙文字画像
レプリカ

小さな四角い紙の角の折り方を変えて文字をあらわします。紙が何枚も必要です。実用はされていなかったようです。

かわら文字

かわら文字画像
レプリカ

土で文字を浮き上がらせた3×4㎝のかわらをつくり、かまで焼きかためたものです。

こより文字

こより文字画像
レプリカ

うすい紙をねじって、ひものようにした「こより」を文字の形にして、厚紙にはりつけたものです。

はり文字

はり文字画像
レプリカ

はり先で文字を形作られた活字を紙に押し当て、紙に凸点文字を浮き上がらせます。

2. 点字を書く道具

1点ずつ書く点字器・点字盤、1マスずつ書くタイプライターがあるよ

フランス式点字盤

フランス式点字盤画像
フランス製、年代不明
188(幅)*275(奥行)*8mm(高さ)

点字を受けるところが凹んだ線になっている「フランス式」の点字盤です。形状は、昔の洗濯板のようにも見えます。枠を上げて、打った点字を確認することができるという特徴があります。

仲村製 小型33マス点字器

仲村製 小型33マス点字盤画像
日本製、年代不明
135(幅)*215(奥行)*11mm(高さ)

四角の枠内に「ト」のマークがある初期の点字盤です。小さな点字(42マス相当)の小型点字盤。

仲村製 32マス標準点字盤

仲村製 32マス標準点字盤画像
日本製、年代不明
185(幅)*290(奥行)*11mm(高さ)

日本で、最も普及した国産の木製点字盤です。現在は、入手困難となってしまいました。

ピヒト製 タイプライター

ピヒト製 タイプライター画像
ドイツ製、昭和初期
330(幅)*210(奥行)*95mm(高さ)

昭和の初めにピヒト社から点字毎日に贈られ、その後、国産点字タイプライター製作の端緒となった製品。この機械は点字毎日の初代編集長、中村京太郎が使用したと伝わっています。

ライトブレーラー

ライトブレーラー画像
日本製、昭和25年
295(幅)*102(奥行)*100mm(高さ)

カニタイプの愛称のある国産点字タイプライター。その由来は、移動するキャリッジの左右から3つずつのキーが伸びている形が、カニの姿に似ているところから。展示品は、キーが短い初期型です。

パーキンスブレーラー

パーキンスブレーラー画像
アメリカ製
410(幅)*270(奥行)*150mm(高さ)

アメリカで最も古い盲学校であるパーキンス盲学校が生産する点字タイプライター。機械の堅牢さ、使い易さ、点の鮮明度では定評があり、今も生産が続いています。点字が表面に出てくるため、タイプしながら文書を読むことができるのが特徴です。

3. 調べてみよう

ルイ・ブライユと点字の世界をしらべよう

点字に関する書籍の画像
国土社の手で読む心でさわる
やさしい点字シリーズ(全6冊)

このコーナーでは、ルイ・ブライユの伝記や、点字に関する本を集めました。楽しい迷路、ブライユの伝記マンガ、点字のことが書いてある教科書もあります。マットが敷いてあるので、寝転んで読書することもできます。

7月10日から一般財団法人日本児童教育振興財団 様のご協力で、同財団発行の『手で見る学習絵本 - テルミ』が展示品に加わりました。視覚に障害のある子ども向けでは、わが国唯一の雑誌です。
隔月刊で発行されており、最新3号分と、ルイ・ブライユを紹介した号のバックナンバーを展示してあります。発泡インクを使用した印刷で絵や点字が盛り上がり、さわって楽しむことができます。指をたどらせながら読み解く迷路もあります。どうぞお楽しみください。


手で見る学習絵本 テルミの表紙画像
手で見る学習絵本テルミ
協力:一般財団法人日本児童教育振興財団

4. 点字を書いてみよう

点字器画像

実際に点字を打つ体験ができるコーナーです。名刺サイズの紙に、自分の名前を点字で書いてみましょう。

5. さわってわかるモノ いろいろ

点字の付いた製品の画像

スーパーで買えるような、身近な製品に点字が入っています。点字以外でも、さわってわかる工夫をしたモノを展示しています。

6. 点字を生み出した人びと

どんな人が点字を作ったのかな

点字を発案した ルイ・ブライユ

ルイ・ブライユ画像
Louis Braille, 1809-1852

点字の発明者、ルイ・ブライユの胸像です。どうぞ、さわってください。

ルイ・ブライユの生家

パリ郊外のクーブレ村にあり、ルイが10歳まで過ごした家です。17世紀半ばに建てられたといわれ、壁は石造り漆喰塗。現在は世界盲人連合(WBU)が管理し、記念館として公開されています。

  ブライユ点字を日本点字に翻案した 石川倉次

石川倉次画像
ルイ・ブライユが発明した点字はアルファベットでした。最初に日本に入ってきたときも、ローマ字のように使っていましたが、やはり不便だということで、日本語点字を考える機運が高まりました。石川倉次は、東京盲唖学校の教員として、これに取り組みました。当時、東京盲唖学校では、他の教師や生徒も点字の研究を進めており、誰の案が優れているかを検討した結果、1890年11月1日に、石川倉次の案が、第1のものであると選ばれました。後に、この日は「日本点字制定記念日」となりました。



企画展リーフレット

チラシ画像
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