ふれる博物館
第8回企画展 「タッチ The スポーツ!」

本企画展は、2021年9月25日(土曜日)に終了いたしました。
多数のご来場に感謝いたします。

共催:手と目でみる教材ライブラリー

協力(敬称略)

会期 2021年6月23日(水曜日)から2021年9月25日(土曜日)まで
会場:ふれる博物館
開館時間:10時~16時  ●事前予約制です
入場無料


 ※会期中の祝日および8月13日・14日・18日は休館となります。

東京オリンピック・パラリンピック。
この機会にいろいろな競技に触れてみよう。

開催にあたって

スポーツは、点字で読んでも、音声で聞いても、なかなか形が理解しにくい分野です。今回の企画展は、東京2020オリンピック・パラリンピックにちなんだ「タッチ The スポーツ!」。
東京2020オリンピック聖火リレートーチに始まり、ボッチャ、視覚障害者水泳で使用するタッピング棒、リオパラリンピックで実際に使用された陸上競技用義足、ブラインドマラソンでランナーと伴走者とを結ぶテザー、競技用車いす、ブラインドサッカー用ボール、ゴールボールや、新国立競技場の3D模型などを展示します。
この機会に競技用品などに触れていただき、感触、重さなどを体験してはいかがでしょう。

オリンピックスタジアム 3Dプリンター模型
オリンピックスタジアム 3Dプリンター模型

東京2020オリンピック聖火リレートーチ

東京2020オリンピック聖火リレーで用いるトーチは、日本人に最もなじみ深い花である桜をモチーフとしています。2021年3月、桜の季節の訪れとともに、オリンピック聖火は「Hope Lights Our Way/希望の道を、つなごう。」という東京2020聖火リレーのコンセプトと一体となり、日本全国を巡ります。

伝統と現代技術の融合

日本のかたち、桜紋。
オリンピックトーチは、その伝統的な形を、新幹線の製造にも使われている製造技術(アルミ押出成形)を用いて形作っています。
継ぎ目のない、ひとつなぎのトーチ。
日本の伝統と高い技術力がひとつになることで生み出された、東京2020オリンピック聖火リレーを象徴するかたちです。

復興への想いと持続可能性への配慮

オリンピックトーチの素材の一部には、東日本大震災の復興仮設住宅のアルミ建築廃材を再利用しています(オリンピックトーチに用いられている再利用アルミの含有率は約30%です)。人々の生活を見守ってきた仮設住宅が、平和のシンボルとしてオリンピックトーチに姿を変え、一歩ずつ復興に向けて進む被災地の姿を世界に伝えます。

美しく、燃え続ける炎

オリンピックトーチは、聖火のかたちもデザインされています。
花びらから生み出された5つの炎は、トーチの中央でひとつとなり、より大きな輝きで「希望の道」を照らします。
聖火を灯す燃焼部には、聖火を保ち続けるために、火力の強い青い炎と、火のない燃焼(触媒燃焼)の2つの燃焼が、聖火の赤い炎を支える仕組みが採用されています。
121日間という長期に渡る東京2020オリンピック聖火リレー。
時間や季節、気候、地域によって大きく変化する日本の環境の中で、美しく、力強い炎をともし続けます。

すべての人のためのトーチ

オリンピックトーチは、重さや握りの形状にも配慮しています。年齢や性別を問わず、誰にとっても扱いやすいトーチです。

トーチの仕様

トーチ制作者

トーチ選定審査員

オリンピックトーチは、2回の審査会を経て、デザイン、技術、それぞれの分野の有識者の手によって、最も東京2020オリンピック競技大会にふさわしいものとして選定されました。
(東京2020組織委員会HPより)

オリンピック聖火リレートーチの写真
オリンピック聖火リレートーチの写真

ボッチャ

種目は男女の区別はなく、個人、ペア、チーム(3人1組)の3つがある。12.5m×6mのコートを使用し、選手は一人ひとり2.5m×1mのスローングボックスに入ってプレーする。先攻がジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールを投げる。先攻が赤、後攻が青のボールをいかにジャックボールに近づけるか、それぞれ6球ずつ投げたり、転がしてして、両者が投げ終わった時点で、ジャックボールに近いほうに個数に応じて得点が入る。

ボール:サイズは27cm±0.8cm以内、重さ275g±12g以内と決まっています。材質や色は、同じ赤・青のボールでも微妙に異なります。ボッチャはマイボール制で、選手は障害の特性や自分の投球スタイルによって、ボールの色や材質を使い分けています。

ランプ:ボールを投げることができない選手が使用する、ボールのすべり台のような道具です。競技アシスタントに、ランプの方向や角度を指示したのち、ランプからボールを転がします。ランプは長さや高さを変えることができるので、遠くまで飛ばしたいときは、高くするなど、バリエーションのある投球をすることができます。

アシスタント:選手にボールを渡したり、選手の指示に従って車いすの位置やランプの角度や高さを調整することができますが、選手にアドバイスをしたり、コートを振り返ってボールの位置を見たりすることは禁止されています。

ボッチャのボールの写真
ボッチャのボールの写真

水泳

オリンピックの競泳と同じように、男女とも、自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ、個人メドレーという5つの個人種目と4×100m自由形リレー、4×100mメドレーリレーのチーム種目がある。このほかに男女混合の4×50m自由形リレーがあり、東京大会からは男女混合4×100m自由形リレーが加わる。ルールも基本的には一般の競泳に準じて行われますが、飛び込みができない選手は、水中からスタートできたり、ゴール時に体の一部でのタッチが認められるなど、選手の障害に応じた特別なルールも適用されます。ベルトやひも、タオルといった道具を使用してのスタートも認められています。

ゴーグル:視覚障害の中でも最も重いクラスの選手は、公平なレースを行うために光を完全に遮断するゴーグルを装着します。

タッピング:視覚障害の選手にゴール時やターンの際に壁にぶつかってケガをしないように、タッパーと呼ばれる人がタッピング棒という道具を使って壁が近いことを知らせます。

水泳のゴーグルの写真
水泳のゴーグルの写真
水泳のタッピング棒の写真
水泳のタッピング棒の写真

ブラインドサッカー

全盲のフィールドプレーヤー4人と、晴眼者または弱視者のゴールキーパー1人の合計5人でチームを構成します。フットサルと同じ大きさ(40m×20m)のコートを使用し、コートの両サイドにフェンスを設置する、転がると音がするボールを使用する、アイマスクを装着する、守備側の選手がボールを持った選手に向って行くときは、「ボイ!」(スペイン語で「行く」を意味する)と声をかけなければならないなど独自のルールがあります。試合は前半・後半20分ずつ。試合中はゴールキーパーや監督、コーラーと呼ばれる人が選手に声を掛けて、ボールや相手選手の位置、試合状況などを知らせます。

コーラー(ガイド):ゴールの裏から選手に情報を与える人。選手が攻撃エリアに入って得点のチャンスを迎えると、ゴールまでの距離やシュートを打つタイミングを的確に指示します。PKやフリーキックの際は、ゴールポストを叩いたり、ゴールの後方から声を出して位置を知らせます。

ボール:サイズはフットサル用のボール(62~64cm、直径約20.5cm、重さ400~440g)と同じですが、中に小さな鉛が仕込まれており、転がるとシャカシャカと音が鳴るようになっています。

アイマスク:フィールドプレーヤーは全盲ですが、光を感じられる人もいるなど見え方に差があるため、公平な条件でプレーできるよう、アイマスクの装着が義務づけられます。

ブラインドサッカー用ボールの写真
ブラインドサッカー用ボールの写真

陸上競技

選手の障害の種類や程度に応じてクラス分けが行われ、多くの種目がクラスごとに実施されます。競技は大きく分けて3つ。短距離走、中距離走、長距離走、リレーを行う「トラック競技」と、走幅跳や走高跳などの跳躍種目や砲丸投やパラリンピック独自の種目であるこん棒投などの投てき種目を行う「フィールド競技」、競技場外でマラソンを行う「ロード競技」があります。それぞれの競技のルールは一般の陸上とほぼ同じですが、障害によっては義足や義手、競技用の車いすの使用や、選手とともに走る伴走者をつけることなどが認められています。

競技用車いす(レーサー):トラックやロードの走競争では、レーサーと呼ばれる3輪タイプの競技用車いすを使用します。サイズは全長が約170~185㎝程度が一般的。座席に座るか正座のような格好で乗り、前傾姿勢になって後輪に取りつけられたハンドリムを回し操作します。

義手や義足:腕や脚を切断した選手は、義手や義足を着用して競技に出場することができます。義手は走種目でのスタートに役立ちます。競技用の義足は、軽い素材のカーボンファイバー製のものが一般的です。

競技アシスタント:視覚障害の選手が出場する種目では、選手が安全に競技を行えるようガイドランナーやエスコート、コーラーという競技アシスタントがつきます。ガイドランナーは走競技において選手とテザーと呼ばれるロープを握り合い、選手を誘導しながら共に走ります。跳躍競技でのエスコートは選手を助走路へ誘導し、方向づけなどを行い、コーラーは手を叩いたり声を出して踏切の位置やバーの位置などを伝えます。投てき競技のコーラーは、投げる方向を示します。

競技用車いすレーサーの写真
競技用車いすレーサーの写真
リオパラで使用された義足の写真
リオパラで使用された義足の写真
テザーの写真
テザーの写真
陸上用義足等の写真
陸上用義足等の写真

パラ陸上競技 マラソン

マラソンは1984年のストーク・マンデビル&ニューヨーク大会からおこなわれている。実施されるクラスは参加者数などを考慮しながら、大会ごとに検討されている。

種目

*全て、同じコースを走ります

コース詳細
オリンピックスタジアム~富久町~水道橋~神保町~神田~日本橋~浅草雷門~日本橋~銀座~増上寺~銀座~日本橋~神田~神保町~皇居外苑~神保町~水道橋~富久町~オリンピックスタジアム
(東京2020組織委員会HPより)

マラソンコース触地図の写真
マラソンコース触地図の写真

ゴールボール

1チーム3人の視覚障害をもつ選手がアイシェードという目隠しをつけプレーします。コートは6人制バレーボール(18m×9m)と同じで、センターラインをはさんで3mごとにラインが引かれ、中央から外側に向って、3つのエリアにわけられている。ゴールは幅9m、高さ1.3mで、サッカーゴールのようにネットが張られている。各ラインは幅5cmで、テープの下に紐が通してあるため、選手は手や足で紐の凹凸に触れることで、自分の位置を確認できます。攻撃側は相手ゴールに向かってボールを投げ、守備側はボールの音や足音を察知して、全身を使ってゴールを守ります。

監督やコーチ:ボールインプレイ中は、選手に対して指示を出すことが禁止されています。監督やコーチが指示を出せるのは前後半戦の合間のハーフタイムと、試合途中にチームの判断で取れるタイムアウトなど限られた場合のみです。

ボール:サイズはバスケットボール(76cm、直径24.5cm)とほぼ同じ大きさですが、重さは2倍の1.25kgです。中に鈴が2個入っており、選手はこの音を聞き取りながらボールの位置を把握し、ディフェンスの体勢に入ります。

アイシェード:試合中に選手が必ず装着する目隠しです。アイシェードの下にはパッチが貼られているので、選手は完全に視界を遮られることになります。試合前には、正しく装着されているか、審判によってチェックされます。

ゴールボール用ゴール実寸大模型の写真
ゴールボール用ゴール実寸大模型の写真
ゴールボール用ボールの写真
ゴールボール用ボールの写真

企画展リーフレット

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