主催:日本点字図書館附属池田輝子記念ふれる博物館
手と目でみる教材ライブラリー
協力:真鍋 真(国立科学博物館副館長)
独立行政法人 国立科学博物館
地球の石科学財団 奇石博物館
会期 2023年7月19日(水曜日)から、2023年9月30日(土曜日)
(祝日を除く水曜日・金曜日・土曜日のみ開館、8月11日・12日・16日、9月23日は休館)
会場:ふれる博物館
開館時間:10時~16時 ●完全予約制 ●各回2組計6名まで ●10:00,13:00,15:00(各1時間)
入場無料
※会期中の祝日は休館となります。
開催にあたって
恐竜の世界へようこそ。主な展示品は、ティラノサウルス類の歯、トリケラトプス上腕骨、エドモントサウルス脚部、ヒプセロサウルスの卵、ティラノサウルスの足跡。これを機会に、恐竜の化石に触れ、有史以前の地球に想いを馳せてみませんか?
【主な展示品】
以下、展示物のなかの一部をご紹介します。
1.ティラノサウルス類の歯
- 英名;Tyrannosaurid tooth
- 産地;アルバータ州,カナダ
- 時代;中生代 白亜紀後期(約7200万~6600万年前)
- ティラノサウルス類は、白亜紀後期には北半球に棲む肉食恐竜の中で最も巨大なグループとなりました。その最大種であるティラノサウルス・レックスは、大きくて強い顎を持ち、顎から突き出ている歯は長いもので15㎝、歯茎に収まる根元までいれると何と歯の全長は30㎝にもなりました。このバナナのような長さの歯は先端が鋭く尖り、断面は太くて丸く頑丈な形をしていたので、獲物は骨まで噛み砕かれ丸飲みにされたと考えられています。彼らの口の中には60本の歯が生えていました。
1.ティラノサウルス類の歯
2.ディプロドクス類の歯
- 英名;Diplodocid tooth
- 産地;エルラシディア州, モロッコ
- 時代;中生代ジュラ紀後期(約1億5000万年前)
- ディプロドクス類は、地球史上特に長い全長を誇った陸上生物のグループです。首の背骨をつなぐケーブルのような靭帯や腱がよく発達しており、これで吊り橋のように長い首と長い尾を吊って前後でバランスをとっていたと考えられています。顔前方に突き出た顎には口先だけに櫛のような細長い歯がたくさん並んでいました。顎の奥には歯はなく、枝ごと口に含み、長い首を左右に大きく動かして葉だけをすき取って丸飲みにしていたと考えられています。
2.ディプロドクス類の歯
3.ハドロサウルス類の歯
- 英名;Hadrosaurid teeth
- 産地;アルバータ州, カナダ
- 時代;中生代 白亜紀後期(約8300万年~7200万年前)
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ハドロサウルス類の口先は、クチバシのようになっており、枝や地面から葉をちぎり取るのに適していたと考えられています。また、顎には、歯が隙間なくびっしりと生えていました。上下の顎の歯で硬い繊維質の植物を磨り潰して食べており、歯が磨り減って抜けるとその下にある新しい歯が順番に出てくる仕組みです。このように、予備の歯が事前に準備されている歯の塊を「デンタルバッテリー」と呼びます。
3.ハドロサウルス類の歯
4.エドモントサウルス(右後脚)の中足骨と趾骨
- 英名;Metatarsals and Phalanges of Edmontosaurus sp.(a right hind foot)
- 産地;ワイオミング州, アメリカ合衆国
- 時代;中生代(ちゅうせいだい) 白亜紀(はくあき)後期(約7200万年前?6600万年前)
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エドモントサウルスは、ティラノサウルスやトリケラトプスなどと同じように、白亜紀最末期に北アメリカに生息した恐竜のひとつです。最大で全長13mほど、体重は3~4トンに達したと考えられています。北海道で全身の大部分が保存された状態で発見され、2019年夏に新属新種として報告されたカムイサウルス・ジャポニクスも、エドモントサウルスと同じハドロサウルス類の種でした。
エドモントサウルスには、大きな体を支える頑丈な後ろ脚が備わっていました。爪先にある爪は蹄のような形をしています。アメリカのノースダコタ州で発見された愛称「ダコタ」と呼ばれるエドモントサウルスは、皮膚が保存されたミイラ化石です。この化石の観察を行った研究者は、まさに蹄のある指などの細部が見られたことを学術誌(2022年10月12日付け)に報告しています。
5.トリケラトプスの上腕骨
- 英名;Humerus of Triceratops sp.
- 産地;サウスダコタ州, アメリカ合衆国
- 時代;中生代 白亜紀後期(約7200万年前~約6600万年前)
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トリケラトプスは、頭部後方に大きく広がるフリルと、目の上と鼻先から伸びる3本の角を持つ角竜の仲間です。全長約8mで体重は10トンほどあったと考えられ、角竜の仲間の中では最も大きくなった恐竜の一つとされます。この骨はトリケラトプスの上腕骨で、ヒトの二の腕にあたる部分の骨になります。上腕骨へは胸などからの強大な筋肉が腱で繋がれ、大きな体をしっかりと支えていたことが想像されます。
5.トリケラトプスの上腕骨
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