日点自立支援室ニュースレター Vol.08 2022年秋号 1ページ目 ごあいさつ 暑いと思っていたら、一気に冬並みの気温になったり、また少し暖かくなったりと気温の変化が激しい秋ですが、皆さん体調など崩さず元気にお過ごしでしょうか?これから秋も深まり、気づいたら今年も終わりということになっていそうです。   秋は食べ物もおいしい季節なのでついつい食べ過ぎてしまいがちなので、少し体を動かして健康を維持することが大切です。自立支援室では、9月のレクリエーションで太極拳を行いました。体全体の筋肉や関節をゆったりと動かし、バランス能力を向上させることで転倒の予防になりますし、深くゆっくりとした呼吸で免疫機能の改善も期待できるそうです。ヨガなどもそうですが、健康維持のため何かご自分で出来るものを持っておくといいかもしれませんね。  さて、今回のニュースレターでもお役立ち情報を紹介します。どうぞお楽しみください。 (文責:島田) 2-3ページ目 エンジョイ!ブラインド・ロービジョンライフ -生活の一コマ- 今では電子決済やクレジット払いで支払えるお店が多くなりました。 それでも私は現金払いや紙媒体でのポイントカードを使用する事が多く手放せないです。 カードの端に切り欠きがあるパスモ、SUICAや表面に文字が浮き出されているカードもありますが、まっ平なカードが多く識別することが難しいです。 判別するために磁気以外の場所へ点字テープを貼ってよく出し入れするカードをお財布へしまっています。お財布の下の段には銀行カード、真ん中の段には郵貯カードと入れる場所を決めて出し入れします。 よくは使わないのですが出先で必要なカードはカードケースにしまって持ち歩いています。 ごくたまに使う診察券は別のカードケースにまとめて持ち歩かず必要な日の前日に保険証とセットにしていれて使うようにしています。 カードとは別にハガキにも「くぼみいり」があります。おもてうら、上下が判別できるようにおもて面左下に半円の切り欠きがあるハガキです。 この青い鳥郵便はがきは1976年から始まり日本郵便株式会社が身体障害者及び知的障害者に対する国民の理解と認識をさらに深めることを目的として希望する方に青い鳥をデザインしたオリジナルの封筒に通常郵便ハガキを入れ無料で配布しています。 対象となるのは視覚障害者は1級または2級 通常ハガキの「むじ」「インクジェット紙」「くぼみ」のいずれか1種類、20枚。 配布期間は年1回4月から5月末までとまだ先の話ですが、これから年賀状作成の季節も訪れますし年賀はがきにも切り欠きがありますので、利用してみてはいかがでしょうか。 (菊池 記) 4-5ページ目 最近流行りの機器&アプリよもやま話 -スマホで健康管理- スマホでは、iPhoneには「ヘルスケア」、アンドロイドスマホには「Google Fit」という健康管理アプリが標準で用意されており、身長や体重などの基本情報を登録すると日々の歩数や消費カロリーなど様々な健康状態チェックに便利な情報を自動で記録してくれます。また、iPhoneとAppleウォッチ、アンドロイドスマホとピクセルウォッチやFitbitウォッチなどのスマートウォッチを連携させると様々な数値を計測・記録できるようになります。さらに、スマホと通信できる体組成計や血圧計などの健康機器を併用すると、さらに記録が楽になります。 さて、今回はiPhoneのヘルスケアアプリについてご紹介します。 ヘルスケアの画面には「概要」「共有」「ブラウズ」の3つがあり、ホームボタンのすぐ上に画面の切り替えボタンが横に並んでいます。 まず、概要画面には「よく使う項目」「トレンド」「ヘルスケアのことをもっと知る」の3つの見出しがあります。 「よく使う項目」にはアクティビティ(運動に関する項目)やバイタル・マインドフルネス・周期記録・呼吸・心臓・栄養・歩行・症状・睡眠・聴覚・身体測定値、健康状態や身体情報の記録などから好きな項目を選択して概要欄に表示させることができます。 ダイエット中の方には、アクティビティの項目が歩数やアクティブエネルギー(消費カロリー)、ウォーキング+ランニング距離などがわかり便利です。また、健康に気をつけている方にはバイタルの項目で血圧や体温などを日々記録できます。また、睡眠の項目はApple Watchを着けて寝るとレム睡眠や深い睡眠の時間数や割合など睡眠の質がわかるので寝ても眠くなる、スッキリ起きられない方の睡眠の改善に役立ちます。 次に、共有画面では、健康状態を家族や友人と共有することができます。たとえば離れて暮らす高齢の親が心配なので体調不良を早く知りたい、友人と一緒にダイエットをしつつ挫折しないようにお互いのカロリー消費や歩数をチェックし合うなどの目的が考えられます。もちろん共有する項目は自由に選べます。 最後にブラウザ画面は全項目がジャンルごとにリスト形式に並んでいるので記録の確認がしやすくなっています。 つい運動後にご褒美でお酒と揚げ物を食べてしまう私は、しっかりヘルスケアアプリを活用して飲酒量や消費カロリーをチェックしながら、秋の味覚やお正月のお餅やお節と誘惑の多いこれからの季節をシャープに乗り越えようと思います。 (清水 記) 6-8ページ目 歩行訓練のすすめ(その1) -道なりに歩くこと- 晴眼者が外出する場合、当たり前のように道を歩き、交差点に出れば曲がるか横断するかします。ひとが移動する行為を単純に分解すると①道なりに歩く、②交差点を横断する又は曲がるという二つの要素に分けることができます。この二つのことができれば、道の続く場所であればどこへでも行けることになります。  ところが、視覚障害があると一本道を一方の端から他方の端まで道なりに歩くことがとても難しくなります。一本道を歩いているはずなのに、いつの間にか身体の向きが変わり、白杖が道の縁に当たることがあります。それが道の終点なのか左右の縁なのか、わからなくなることがあります。広い道を歩いていると体の向きが180度曲がってしまい、出発地点へ戻ってしまうことがあるかもしれません。まるで笑い話のようですが、私は実際にそのような場面を目撃したことがあります。  それでは、曲がらないように歩くためにはどのような方法があるでしょうか?点字ブロックのある道路なら、点字ブロックを辿れば良いと思われるでしょう。点字ブロックがない場所なら、道路の端を杖で触れながら歩く伝い歩きという方法を考えるかもしれませんね。しかし、点字ブロックはすべての道に設置されているわけではありません。道路の端は必ずしも伝える構造になっているとは限りません。また、路肩にはいろいろな障害物が置かれていることもしばしばです。そのような路肩を伝いながら歩くと、民家や駐車場に入り込んだり、垣根から飛び出している庭木の枝が顔に当たったりすることもあります。商店街では、売り物や店の看板などが置いてあることがしばしばあります。 それじゃあどうしたらいいのだ!と思われるかもしれませんね。何も手がかりがなければ、ほとんどの人は曲がるものだと先ずは思ってください。逆に、様々な手がかりが使えるようになれば道なりに歩くことが可能になります。もっとも有力な手掛かりは聴覚的な情報です。人や車両の往来がある場所ではその音が手掛かりになります。当たり前ですが、人も自転車も自動車も道路上を移動します。人が歩いて行く方向、自転車や自動車が走っていく方向に注目すれば道が伸びている方向が分かります。なるべく遠くの音に注目するとまっすぐ歩きやすくなります。  少し高度かもしれませんが、狭い路地裏を歩くと閉塞感のような、ちょっと詰まったような感覚を感じることはないでしょうか?右に寄りすぎると右側の閉塞感が強まり、左に寄れば左側の閉塞感が強くなります。この閉塞感がほどよく感じられるように歩ければ、結果的に路地の真ん中を歩くことになります。これも実は聴覚的な情報の活用になります。  もう一つ、道なりに歩く有力な方法があります。それはひとの身体の中に備わっている傾きを感じる感覚を利用するものです。道路は水はけを良くするために緩やかなかまぼこの形状に作られていて、路肩は勾配がやや大きくなっています。なので、路肩に近いところを歩くと外側に傾いていることが分かります。これは筋紡錘と呼ばれる感覚器の情報によるものです。筋肉の繊維がほんのわずかでも牽引されると感知することができます。この感覚情報を利用して傾きを感じながら歩けば、道なりに歩くことが可能になります。さらに白杖で路面をこするように振ることで、白杖でも傾きを感じ取りながら歩くことができるでしょう。  以上、手がかりを利用して道なりに歩く方法について述べてきましたが、これらのことが自然にできるようにするためには、歩行訓練を受けることが近道だと言えるでしょう。様々な手がかりを活用できるようにするためには、進路上にある危険を防止できる白杖の使用技術の習得が不可欠です。安心して移動できなければ環境情報に意識を向けることができません。また、白杖がきちんと使えるようになると、移動時に曲がることも減り、曲がって路肩に当たっても、どちらへどの程度曲がったのかが瞬時に分かるようになり、その後の修正も容易になります。身につけるべき白杖技術とはどのようなものなのか、それはまた次の機会に譲りたいと思います。 (小林 記)   9-10ページ目 おすすめレシピ シンプルな味付けのレシピです!美味しい素材に出会えますように。 ★かぼちゃのスープ(2人分)電子レンジ使用 材料:かぼちゃ 300g(1/4個)、牛乳 250㏄、 顆粒コンソメ 小さじ1 道具:耐熱ボール、ラップ、小さじ、マッシャー(すりこぎ)、(スプーン)、(ピーラー) ① かぼちゃ1/4カット(300g)の種とワタをスプーン(手でもよい)で取る。 ② ①をラップにつつみ電子レンジ600Wで2分間を2回、裏表を変えて加熱する。 ③ かぼちゃの粗熱が取れたら皮の部分を取り除き(加熱前にピーラーでむいてもよい)、身の部分を耐熱ボールに入れ、そこに牛乳250cc、顆粒コンソメ小さじ1を入れ、マッシャー(すりこぎ)でかぼちゃをつぶす。 ④ ③を電子レンジ600Wで2分間加熱し、さらにかぼちゃをつぶす。 ⑤ ④をよく混ぜて出来上がり。 ※飲みやすい温度にしてお召し上がりください。 ★トマトのたまご炒め(2人分)フライパン使用 材料:トマト 1個、卵 2個、油 小さじ、塩 ひとつまみ 道具:フライパン(小さめがおすすめ)、 ボール(たまごを割りほぐすため)、フライパンがえし ① トマトを一口大に切る。 ② たまごをボールに割り、塩をひとつまみいれてほぐす。 ③ フライパンに油をしき、トマトを1分炒める。 ④ ③に②のたまごを流し入れる。 ⑤ 中火で2~3分火にかける。その間フライパンがえしを立てて表面をほぐすように数か所軽く押さえ、トマトとたまごを均等にする。ふたをしても良い。 ⑥ フライパンがえしですくって皿に移し出来上がり。 ※レタスやアボカド、ハムやウインナーなどを添えて朝食にいかがですか。 (和田 記) 11ページ目 レクリエーション報告 -リップで心も華やかになりました!- 10月のレクリエーションは、21日の金曜日に「鏡を使わないメイクのコツを知ろう」というテーマで実施しました。 ブラインドメイクを考案した日本ケアメイク協会のご協力による初めての試みです。 まずは、見えなくても恥ずかしくないメイクの仕方を覚えてからは外出がとても楽しくなったという日本ケアメイク協会の山岸理事長の経験談。次に認定化粧療法士の山田様にはスキンケアのポイントを交えつつブラインドメイクの紹介がありました。 後半は、各自が持参した口紅をブラインドメイクの手法で塗る実技。指の動かし方を練習し、いよいよ両手の小指にリップをつけて本番へ。 参加者6名とも1回目で見事に色づいた唇に変身。途端に表情もさらに明るく、トークも全開、女子会は大いに盛り上がりました。 (加藤 記)