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日点自立支援室
ニュースレター
Vol. 17
2025年冬号
目次
ごあいさつ・・・2
エンジョイ！ブラインド・ロービジョンライフ・・・4
便利グッズ紹介・・・9
スマホ操作のき・ほ・ん・・・10
ニュースレターバックナンバー記事一覧のご案内・・・12


2
ごあいさつ

新しい年が明け、瞬く間に時が過ぎ、3月を迎えました。
朝夕の冷え込みは厳しいですが、徐々に陽が長くなり、春の足音が近づいているのを感じます。
当館の敷地にある桜の木を見に行ったら、つぼみが大分ふっくらとしてきて、先端から濃いピンク色の花びらをわずかに覗かせているものもありました。この桜は当館創立者本間一夫の生誕100年を記念して植えた「春めき」という品種で、咲いたときにほんのり香りがします。毎年少しずつ大きく育っており、満開の姿は見事な美しさで、通りかかる人達は足を止め、写真を撮っていかれます。開花はもうすぐ、とても楽しみです。
さて、今年は阪神・淡路大震災からちょうど30年。1月も宮崎県の日向灘を震源とする大きな地震がありましたが、皆さんは災害対策をされていますか？わが家では、備蓄やハザードマップの確認に加え、災害時要援護者名簿への登録の同意、個別避難計画の提出をしました。災害時要援護者名簿とは、災害時に支援が必要な障害者等を本人同意のもと登録しておく名簿のことで、災害対策基本法により区市町村に作成が義務付けられています。名簿は、地域の消防署や警察署、町内会、民生委員ほか関係各所に共有され、災害時の安否確認や避難誘導等必要な支援に活用されます。個別避難計画とは、災害時の避難場所や緊急連絡先、避難時に配慮してほしいこと等を予め定めておく行動計画です。尚、計画の方は努力義務のため実施していない地域もあります。いずれも災害時の支援が保障されるわけではありませんが、このような制度を利用することも備えの一つになると思います。これから花粉の飛散量が益々増していきます。
たっぷりの睡眠と栄養で、免疫力を上げていきましょう。
（市川　記）

4
エンジョイ！ブラインド・ロービジョンライフ特別編
－スタッフ座談会記事を振り返る－

このコーナーでは、2023年夏号から6回にわたって、自立支援室の視覚障害があるスタッフ3名（菊池、松谷、池松）が日常生活の困りごとや工夫について話し合った内容をご紹介しています。今回は、その総集編としてそれぞれの回で話題になったことについて振り返ってみたいと思います。
ご興味がある項目がありましたら、内容のご説明も可能ですのでスタッフまでお声がけください。

＜2023年　夏：コップに飲み物を注ぐあれこれ＞
コップに飲み物を注ぐ際にどうやって中身をこぼさず注ぐか、中身の量をどう確認するかについて話し合いました。こぼさない工夫は、ほとんどのスタッフが飲み物が入った容器の注ぎ口の近くをコップに沿わせて注ぐようにしていました。一方、どれだけの量が入ったかを確認する方法については、コップの重さを手掛かりにする、冷たいもので自分が飲むだけであれば指をコップに入れて確認する、コップを爪で叩いた音で確認するなどさまざまでした。

＜2023年秋：　液体を計るあれこれ＞
前回の内容からもう少し踏み込んで、液体の調味料や洗剤など分量が決まっているものを計る方法を話し合いました。調味料については、当館の用具ショップでも、蓋の上をプッシュすると一定の量が出る醤油さしや計量カップなどがいろいろと販売されていますのでそれらを使うという意見の他、薬用養命酒についているカップやうがい薬のキャップも役立つというアイディアがありました。一方で、慣れた料理であればそもそもあまり計量は意識せず目分量で作ってしまうというスタッフもいました。
また、洗濯洗剤の中には、キャップ部分のポンプを押すと一定量が出るものも市販されており、便利な製品も増えてきているようです。

＜2024年冬:　物を探すあれこれ＞
この回では、家の中での探し物についてをテーマにしました。エアコンのリモコンやティッシュペーパーなど日常的に使うものは、3人とも置き場所を決めるようにしていました。ただ、一緒に暮らしている家族がいる場合には、家族にも所定の場所に戻すことを意識してもらわないと、せっかく整理したのにまたなくしてしまった…なんていうこともあるようです。

＜2024年春：　書類の整理あれこれ＞
役所から届いた通知や家電製品の説明書など、保管しておかなければいけない書類をどう整理するかについて話し合いました。3人とも、書類の内容やカテゴリごとにクリアファイルやケースをうまく使って仕分けていました。100円均一などにはいろいろな形の書類ケースがありますので、それぞれの用途や好みに合わせて選んでいるようです。
ケースの中身をどう区別するかについては、点字用のテープに内容を書いたり、点字を使っていない場合でもシールを貼ってその個数や貼る場所で内容を区別するアイディアなども出ました。また最近では、専用のシールに内容を説明した音声を録音できるICレコーダーやスマホアプリもあるので、それらをうまく活用する方法もありそうです。
その他、書類そのものの大きさや厚みの違いを活かして区別ができる場合もあるという意見もありました。

＜2024年夏：　お出かけあれこれ＞
外出の機会が増える夏場ということで、普段どんな場所によく出かけるかや、初めての場所にはどうやって行くかが話題になりました。よく行く場所としては、3人ともコンビニやスーパー、病院などを挙げており、慣れているところであれば自分の行きたいタイミングで一人で出かけていました。一方初めての場所や普段あまり行かないようなところには、周囲の人に聞きながら自力で行くこともありますが、同行援護（ガイドヘルパー）のサービスを活用することが多い様です。ヘルパーさんは周囲の様子を説明してくださったり、代筆をサポートしてくださったりするので、外出をより効率的に楽しめるという意見もありました。

＜2024年秋：　時間を計るあれこれ＞
この回では、料理などの際に時間を計る工夫について話し合いました。最近では、スマホに「●分のタイマーをセット」と話しかけるだけで時間を計ってくれる機能があって便利な一方、スマホは他の操作をしていると通知音が鳴らない場合もあるので、確実に時間を知らせてくれるキッチンタイマーも便利という意見が出ました。
また、電子レンジのようにタイマー機能がある家電もありますが、時間の設定方法は機種によって異なるので、実際に購入するときには電気屋さんなどで触って使い方を確認するのも大事という話題もありました。

以上、これまでの記事を振り返ってみました。エンジョイ！ブラインド・ロービジョンライフのコーナーでは、今後も視覚障害スタッフから、日々の暮らしでお役に立つような情報をお伝えしていきます。


9
便利グッズ紹介

★「杖止めに帽子用クリップ」
お店で買った商品をレジ袋に入れる時など、外出先で杖を立て掛けたい時におすすめ。細い紐の両端に小さなクリップが付いているので、片方は杖のゴム、もう片方は自分の衣服などを挟んで使います。
写真のクリップには、かわいいリボンがついています。
紐の部分は、くさりなど丈夫なものがおすすめです。
※訓練生I様からご紹介いただきました。

★「詰め替え用じょうご　無印良品」
おちょこのような形で、液体洗剤や調味料のボトルの口にはめると、詰め替え用の液体が楽に移せます。
台所で、洗面所やお風呂場で使ってみてはいかがですか？
手を添えてお使いください。
税込み１５０円

寸法：
パイプ径約9mm、開口部上部約62mm、下部内径約46mm、高さ約53mm
※訓練生I様からご紹介いただきました。
縁を黒く塗ると境目がはっきりするそうです。

10
スマホ操作のき・ほ・ん　No.7
－Geminiライブを楽しもう－

中国のAI 「Deep Seek（ディープシーク）」が他のAIに比べて低コストで開発され話題となり、AIを巡る開発競争は激しさを増し、技術も日々進歩しています。
今回は、Google開発のAI 「Gemini （ジェミニ）」を活用したGeminiライブについて紹介します。GeminiライブはリアルタイムにAIアシスタントのGeminiと会話できるプログラムです。GeminiライブはAndroidでもiPhoneでもGoogleのアカウント登録があればGeminiアプリの画面下のGeminiライブ開始ボタンを押すことで利用できます。Geminiライブの良さは以下のとおりです。1. まるで人間と話しているかのようにAIと自然な会話を楽しめます。会話中に画面操作や「OK　Google」や「ヘイ　Siri」といった声掛けをする必要もありません。
2. テキスト生成、翻訳、要約など、Geminiが持つ様々な機能を会話の中でスムーズに利用できます。たとえば「冬の厳しさを題材にした俳句を作って」「雪が深々と降る風景をイメージした歌詞を書いて」「今日もお疲れ様を英語に翻訳」など色々です。
3. Geminiが様々な場面や話し相手を演じてくれます。
就職試験の面接官役や海外旅行先の地元の人の役などをGeminiに演じてもらえば、コミュニケーション能力向上に役立ちます。また、ブレインストーミングなどのアイデア出しをGeminiと一緒に行なったり、勉強時の疑問点をどんどん質問して調べ物を手伝ってもらったりすることで、効率的に学習を進めることもできます。
「海外で買い物するときの会話の練習を手伝って」「外人さんに道を尋ねられた時の会話の練習を手伝って」「奥さんに激怒された時の会話の練習を手伝って」「友達に誕生日プレゼント送るから一緒に考えて」などGeminiと深く考えず気ままに雑談していると自然と知識が増えていく気がします。
ただし、これは他のAIにも言えることですが、Geminiの回答がすべて正しいとは限らず、誤った回答や不明な応答になることもあるため自分でGeminiの応答内容を検証する必要があります。また個人情報の入力にも注意が必要です。
最後にGeminiライブで会話するのは手軽で人に気を使わなくていいのですが、自分の頭で考えを整理し相手のことを思いながら生身の人間と会話することも忘れないようにしたいですね。
（清水　記）

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