自立支援室

訓練生の声

Yさん (現役)

 私は網膜色素変性で、光を感じる程度、白い霧の中に ぼんやり黒い影が見えるという視力です。黒い影が何なのかは、全くわかりません。10年間、1人で外出することもできず、いつも家族の腕に掴まって歩いていました。
 そんな毎日が続く中、ある日 突然 頭に浮かんだことは、「もしも一人暮らしになったら、誰かが来てくれるまで、家から一歩も出られないのでは?」というものでした。考えてみると、とても恐ろしい状況です。そして思い出したのが、少し前のラジオ番組で初めて耳にした「歩行訓練」という言葉。日本点字図書館での訓練体験記でした。
「家の近所だけでも歩けるように、歩行訓練受けてみようかな。」これが私のきっかけです。
 いよいよ訓練が始まり、まずは自宅近くの郵便局への往復。最初は肩に力が入り、杖で路面の感触の違いを探るにも、ガリガリと音がする位で、あれでは分かる訳ないと、今なら言えます。建物の入り口を見つける為、杖で一つ一つ目印を探り当てながら進んで行くのですが、これは中学時代の林間学校でのオリエンテーリングを連想し、楽しい気分にもなりました。この頃は、まだ全然わかってなかったけれど、ただ歩き始めたことが嬉しくて、無我夢中の日々でした。
 そして、出だしは順調な訓練が、週2回に増え、壁に当たる時がやって来ました。それまでは午前中だけでしたが、夕方も歩くことになったのです。季節は11月、訓練半ばには周囲は真っ暗。初めて夕方に歩いた日、私は大混乱して迷走、迷走、迷走。最後は自宅の入り口が見つけられない始末で、かなり落ち込みました。暗闇に立った時、もの凄い不安に襲われ、失明したらこんな感じなのかと怖くなり、冷静さを失ったのが原因だったのでしょう。もう一つ、光と影を感じる程度でも、目に頼って歩いていた事も分かりました。でもしばらくすると、もしも暗い中での訓練を克服できたら、本当に失明した時、これが私の心の支えになってくれるのではという考えが膨らんできました。
「私は暗闇でも、ちゃんと歩けるんだから!」と。
 気持ちを切り替えて、訓練は進みますが、この間私は様々な失敗を繰り返します。駐車場に迷い込んだり、歩いている体の向きが変わり違う道に逸れたり、車道に落ちそうになったり。先生は「こういう時に大切なのは、すぐに気がついて安全にリカバリーできることです。」と、その都度丁寧に指導してくださいました。見えなくても、自分の位置や体の向きを判断する方法、杖が異変を感じたり、迷い込んだ時の対処法、横断歩道での様々な注意点など。どれも1歩間違えれば、事故や怪我に繋がりかねないので、ここで訓練できて本当に良かったです。また、正しく杖を振って歩けば、例え車道に落ちそうになっても、自分より杖が一足先に落ちるので、すぐに立ち止まれば大丈夫なのだと知り、杖が教えてくれる事を、きちんと理解できるようになりたいと実感しました。
 初日に訓練した内容を記録しておくと良いと言われたので、毎回訓練が終わるとすぐに詳しくメモに残し、後日勘違いしていた箇所や新しい発見があれば、必ず書き直すようにしました。細かい事は忘れがちなので、この歩行メモは今でもとても役に立っています。上手になりたい一心で、次の訓練日までに家族やガイドヘルパーさんについて来てもらい練習に行き、家にいる日は歩行メモを聞きながら、頭の中で歩行シミュレーションをしていました。道順や目印を覚えるのは、練習すれば出来るようになるけれど、杖を左右均等に振って真っすぐ歩く、路面の状況を感じることなど、体で覚える技術はまだ全然駄目で、このアンバランスがもどかしい時期でもありました。
 それでも、なんとか、生活圏内のスーパー、病院、歯科、銀行、区の出張所、美容室、バス停まで歩けるようになり、最終目的地の最寄り駅へ。ところが意外なことに、改札口の前に立った時、喜びよりも、「ここから先へ電車に乗って行ってみたい!」という希望が湧いてきました。訓練前は、電車は怖いからやらないと言ったけれど、その場で日本点字図書館までの訓練を願い出ていました。
 とは言え、初めて電車に乗り込む時はすごい緊張で、先生から「Good Job!」と褒められ、大きく安堵したのを思い出します。しかし、電車の乗り降りは、教わった手順をちゃんと踏めば、絶対に線路に落ちる事は無いと分かりました。逆に手順を抜かしたり雑にしたりすると、事故に繋がるというので、私が手順を間違えると、先生からいつもより強い口調の注意が飛びます。ハッとする瞬間ですが、私の命に関わるのだから正確に覚えなければと、気が引き締まり印象に残りました。日本点字図書館に到着した時は、自立支援室の方々から「よく頑張って来たね。良い表情してるわ。」と、暖かい歓迎を受け、とても嬉しかったです。
 更に、ここまで来ると欲が出て、私が1番行きたい所への訓練もお願いしました。それは娘の家です。しかし、このルートは徒歩→バス→電車→電車→徒歩の大移動。乗り換えの駅は大きく、駅前バスロータリーから改札までは複雑で長く、点字ブロックだけを頼っていると訳がわからなくなるので、頭の中に構内図を描きながら歩く事で、なんとか乗り越えました。常に線路の向きを意識して、駅の構造を考えると、理解しやすいというのは、見えている頃にはなかった発想でした。娘の家は住宅街で十字路や曲がり角の中から、自分が進む道を見つける為に、杖で次々と目印の感触を探って行かなければなりません。目印は杖で探れるもの以外、音、匂い、光や空気感などもありますが、それでも住宅街で特徴的なものがなく難しい中、先生が驚くような目印を見つけて下さり、うまく歩けました。歩行訓練士の視点がなければ、出来なかったと思います。ようやく娘の家に着いた時は、信じられない気持ちでした。まさか、ここまで来れるようになるなんて!
 ちょうどこの頃、先生から教わった事と自分の感覚や杖の感触が、噛み合うようになって来ました。例えば私の苦手な場所として、大きなバス停車場の前の歩道があるのですが、ここは車道に向かって下がっていて、バスや乗客の出入りも多く、車道に落ちたくない心理からか、この歩道を歩いていると、いつの間にかバス停車場の方へ曲がってしまうのです。3ヶ月間うまく歩けなかったのに、ある時「今地面が平らになったけど、停車場に入ったのかも。」と、突然分かり驚きました。先生からは「ここは、歩道の傾斜を感じながら歩いて。」と言われていたのですが、これを足底と杖で理解出来た瞬間でした。でも、これで大丈夫と言う訳ではなく、杖を雑に振ったり集中してなかったりすると、また曲がってしまいます。
 それから、音を聞いて、周囲の状況を想像できるようにもなってきました。
 「前方に車が止まって、荷物を下ろし始めたみたい。宅急便かな。」とか。また歩行中に「風が気持ちいいな。日差しが暖かいな。」とか、楽しめるようにもなり、逆に言うと、今まではそんな余裕も無かったのでしょう。しかし、新しいルートを訓練している時などは、相変わらず 迷って立ち往生したり、同じところで二度三度注意されたりしていました。点字ブロックを探している瞬間に、注意が他にそれて、杖かブロックを触っているのに分からないという経験もありました。白杖歩行は、繊細で奥の深い技術なのだと、実感したのもこの時期です。先生からは「歩行に慣れた頃が、むしろ怪我をしやすいから気をつけて。」と助言をいただき、確かに歩く速度も速くなってきたので、油断は禁物だと心に留めました。
 そして、ついに無理だと思っていた実家への訓練が始まりました。このルートで最大の難関は、JR新宿駅です。私にとっては日本一怖いホームですが、今はネットで乗車駅と降車駅の階段に一番近い号車番号を調べられるので、うまく階段を選べば、殆どホーム上を歩かずに済むことが分かりました。この点は良かったのですが、やはり混雑時の乗車には戸惑いました。降りる人や乗る人の列が見えないので、乗るタイミングが測れないのです。なので列には並ばず、電車の車体について待機し、殆どの人が乗り込んだら、素早く車体に沿って横移動して乗るという驚きの方法なのでした。少しずつ慣れてきたとはいえ、早すぎて横入りしてしまったりと、まだまだ経験が必要です。それでも訓練を重ねるうちに、ホームでの恐怖感も薄らぎ、落ち着けるようにもなりました。そして駅でも道路でも、いつも先生から言われた絶対に忘れてはいけないこと。
 「何かおかしい、間違っているかもと感じたら、足の向きを変えずに、すぐに立ち止まり、周囲の音をよく聞いて状況を判断し、よく考えてから次の行動に移ること。」この言葉をいつも頭に入れて、歩かなければと思っています。
 訓練全体を通して驚いたのは、「大丈夫ですか?何かお手伝いしましょうか?」と、声をかけてくれる人の多かったことです。勿論この方達は、訓練中だとは知らないのですが、先生からも「困った時に、周囲に上手く援助依頼ができることも、大切な歩行スキルの1つです。」と聞いていたので、心強く嬉しかったです。またスーパーの買い物訓練での、「サービスカウンターで買い物の援助依頼をして下さい。」という課題も、良い経験になりました。
 網膜色素変性症が発覚してから、これまでを振り返って見ると、病気の進行と共に諦め、手離し、家族に頼る事の連続だったように思います。仕事、単独歩行、預貯金の管理、調理、買い物‥‥など。年齢と逆行して、1人では何もできない子供に戻っていくようでした。私を助けてくれる家族や周囲の方々に対しては、本当にありがたく思っているのですが、一方ではやるせない思いも募っていました。でも10年ぶりに1人で歩いてみたら、とても清々しく、新鮮な気持ちになりました。色々な手段や訓練を使っても、1人でやることが可能ならば、頑張ってやってみよう。それは、私の自信となり、病気に負けない本来の自分に繋がるような気がしています。
 点字ブロックは私を誘導してくれ、分岐点は右か左かを教えてくれます。まさに歩行訓練は、私の視覚障害者としての人生で分岐点となってくれました。そして、分かりやすく根気強い指導で、この分岐点を作ってくださった歩行訓練士の先生に感謝を伝えたいです。
全33回の訓練でした。
 先生、どうもありがとうございました。


Mさん (2023年卒業)

 私は50代になり病気が進行し、パソコンの画面が文字を拡大しても見えなくなってしまいました。パソコンは仕事のうえで必須なので困っていたところ、日本点字図書館のパソコン教室を知りました。マウス操作に慣れていた私は読み上げソフトのキーボードのみの操作に戸惑いましたが、何度も繰り返し根気よく指導していただいたので、とても助かりました。
 また、スマートフォンのちょっとした操作などを気楽に教えていただき助かりました。
 毎月のレクリエーションでは読書や映画などの楽しみ方や、最新の機器の紹介をしていただき、大変楽しく、役に立ちました。
 卒業後も、パソコンでわからないことなど、ちょっとした相談に丁寧に対応していただき感謝しています。


Iさん (2023年卒業)

私が、生活訓練を受けることになったのは、自己流で杖歩行をしていて電柱にぶつかったり、方向を間違えたりすることが増えてきたのを見かねた友人が、歩行訓練することを勧めてくれました。
区役所の障害福祉課に相談をして日本点字図書館の生活訓練を受けることにしました。
はじめに指導員の方と相談し、訓練の期間は1年で毎週水曜日の午後に行いました。
訓練内容は、スマートホンや音声パソコンの使い方、歩行訓練(高田馬場駅周辺と自宅周辺)を行いました。訓練は、マンツーマンで教えてくれました。1週間たつと教えていただいたことを忘れてしまい根気強く教えていただきました。歩行訓練は、白杖を使用して正しい歩行方法で高田馬場周辺歩きました。「道を覚えるには、音やにおいなども覚えているように」と指導されました。周辺には、ラーメン屋が多く、点字ブロックもたくさん敷設してあり迷うことばかりでした。自宅周辺の歩行訓練は、駅から自宅までの訓練と私が希望したコンビニに買い物に歩行訓練を行いました。
今では、ひとりで白杖を使ってコンビニに行くと「ダイエットコーラ2本ですね」と店員さんが話しかけてくれます。支払いはスマートホンでポイントもたまりました。
音声パソコンでサピエ図書館からダウンロードした本や雑誌を聞くことを楽しみにしています。
物忘れ激しい私を根気強く教えてくださった指導員のかたに感謝でいっぱいです。


Iさん (2021年卒業)

「こんにちは、Aです」、「Aさん、こんにちは!Bです」
3階でエレベータのドアが開き、自立支援室ではこんな会話から始まります。
弱視で相手の顔が認識できない視力の私には、いつもホッとする瞬間です。
私の訓練は、パソコン、iPadの読み上げソフトの習得が主でした。
私にはいくつかの趣味がありましたが、視覚障害者になって、その殆どを失いました。
絶望のどん底にあって、子供の頃から50年近くも続けてきたアマチュア無線は復活できないかと思い続けてきました。
ネックのひとつは、無線交信の記録、相手局の検索、交信証明書の発行を行うパソコンソフトが視覚によることでした。
読み上げソフトは対応していません。
いや、正確に言うと、一部は読むことは読むのですが、目的するキー操作をしたとき、画面には必要な情報が表示されますが、読み上げの音声は、何も言わないか、あるいは聞きたい項目だけでなく、他の項目も全部読んでしまい、晴眼者と同じ情報が得にくいのです。
訓練のなか、先生はアマチュア無線のソフトは初めてであったと思いますが、解決策を一緒に考え、試してくれました。
例えば、カーソルを矢印から赤い十字にして対象を特定したり、画面を画像にして読ませたり、表になっているデータを個別に取り出したり。
親身になって一緒に試行錯誤してもらい、とても心強い思いをしました。
おかげで、今は毎日アマチュア無線を楽しんでいます。
課題が解決したのです。
張りのある生活です。
自立支援室で訓練を受けることができて本当に感謝しています。


Kさん (2021年卒業)

私は、三年前に点字図書館で自立訓練を受けていただきました。
私は、ITシリーズ中心で、PCトーカー、スマホ、BMスマート、リンクポケット操作などを学びました。
最初は ほとんど何も分からない状態から、マンツーマンで丁寧に教えていただき、お陰さまで色々な事ができるようになりました。先生や職員の皆様もいい方ばかりなので、毎回の授業がとても楽しかったです。世界が広がった気分です。生活に大いに役立っており、娯楽の幅も広がりました。こちらに通って本当に良かったです。
2年間の自立訓練は、あっという間に卒業してしまいました。
私にとってはとても、とても楽しくて♪忘れられないいい思いばかりの2年間でした!
本当に心からありがとうございました(^▽^)/♪☆☆☆☆☆


Tさん (2020年卒業)

自立支援のコースは、以前から来館時にどうしたら便利に暮せるかという相談に乗っていただいていたので、是非にとお願いして始めました。
 初日はやりたいこと、できなくて困っていること、自分ができていると思っていることを聞いていただいたと思います。希望どうり、歩行訓練とアイパットを使ったラインアプリの使い方を全く分からないまま始めました。
 アイパットは買ってからずいぶん時間がたっていてパスワードが分からないというところから、設定しなおしていく、それから自分でも使い方を覚えていく、どうしてもできなかったことが自分で操作してできるようになっていく驚きの時間でした。
 音声パソコンの訓練もしました。自分が思っているほどブラインドタッチができなくて、基本訓練としてみっちりやったので黙々とやりました。正確な入力が困難だったので苦労しました。また、コロナによる来館制限で対面での訓練ができなくなりあきらめかけていた時、電話でパソコン音声を聞きながらエクセルの訓練をしていただいたことがありました。遠隔での訓練は方法は改良されていきましたが、外出制限がかかるなか、自力でパソコンを使って金銭管理ができるように訓練を重ねました。頭の中で計算したいことを記録に表せることはこの時期特に必要でした。
 白杖を使っての歩行訓練は、最初に、一人で高田馬場の道を歩くところを先生方が後ろから見守って評価するものでした。そこでは、姿勢もいいし危険を避けて歩けているという評価にもかかわらず、やはり不安でした。基本から訓練を受けていくと、歩行時の情報量が増えてとても疲れるようになりました。歩行と杖の振り方のリズム、ふり幅と杖を持つ体勢がやりやすいほうに直ってしまい、注意を払って繰り返しました。道の探し方、横断歩道を渡るタイミングの確認の仕方も基本を中心に繰り返しました。音の情報を勘違いしたりまっすぐに歩けていないことで間違うことが多かった気がします。
 私は20年ほど前から白杖を持ち、視野狭窄がありながらも視力があった状態から今では手動弁の状態になりました。白杖の使い方も安全が確保できる使い方ではなく警告として人の力を借りやすいように持っているようで、見られることが前提でした。訓練が進み、アイマスクをして歩くと今までより深い注意力がわいてきました。でも結果は思っていたより歩けませんし、考えていたところと違うところにいることがありました。 私は通いたい場所があったので、地元まで先生に来ていただき、駅から目的地まで訓練を繰り返しました。
 一人で移動できる自信がついたので今も安全に通えています。分かりやすいのではと自分で考え、直線が多い裏道をルートに選びました。ガードレールや橋、電柱など難しい道でした。練習するポイントがたくさんあり、静かだったので確認しやすかったかもしれません。訓練時は車道に出たり危険な時だけ止められました。マンションのエントランスや駐車場に入り込んでしまいぬけられなくなり、確認しながら元の道に戻れた時は白杖を頼もしく思いました。橋に向かう道では坂の角度など、注意するポイントとまっすぐ歩くことのはざまで頭の中が引き裂かれそうでした。思いもよらない移動をしてしまうことがあることを覚え、危険を避けて移動できるようになっています。スーパーでスマホを使うとか、電車の乗車時の車体への歩み寄り方など一人ではできないなあと今でも難しく感じる訓練もありましたが、危ないかなと思うことは少し距離を置く余裕も持てています。手間はかかっても安心できるようになりもう少しできるようになったらいいなと工夫を重ね、生活をしています。
 親身に対応してくださり、ありがとうございました。


Fさん (2020年卒業)

 訓練を始めて7か月が経ちました。
 読み上げソフトを使ったパソコンの操作、白杖を使って安全に歩くこと、そして点字を読み書きする訓練。どれも私に取って初めてのお稽古で、最初はどれもこれも訳が分からず、泣きたくなる思いでした。それに、視覚障害者になってしまった情けなさと悔しさと不安で、心が死んでしまった思いがしました。
 それでも、少しずつ少しずつもつれた糸を根気よくほどいていくように、練習を続けました。
 歩行訓練の先生に教わって考えた手がかりを、おぼつかないタッチでパソコンのワード文書に記録し、何度も何度も読み上げソフトで聴いて、ルートを覚える作業。
 そして、訓練を重ねて一人で区役所に行けるようになった喜び!
 最初はアラビア語みたいにしか思えなかった点字が、いつしか一つ一つ読めるようになってきたこと。
 プチプチと点字を打って、自分の指先で文字を確認する楽しさ!
 今回、訓練の折り返し地点の記念に、期日前選挙に一人で区役所に行って、点字で投票しようと心に決めていました。
 訓練通りに自信を持って区役所に行き「点字で投票します」と言ったとき、心から自分のことを誇りに思いました。
 人生の半ばをはるかに過ぎても、新しいことに挑戦できる幸せがあることを教えてくださった、自立支援室の先生に感謝でいっぱいです。


Fさんご本人執筆の「歩行訓練と私」を承諾を得て一定期間掲載します。
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「歩行訓練と私」(PDF版) PDFファイル 1,735KB
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