自立支援室

訓練生の声

Mさん (2023年卒業)

 私は50代になり病気が進行し、パソコンの画面が文字を拡大しても見えなくなってしまいました。パソコンは仕事のうえで必須なので困っていたところ、日本点字図書館のパソコン教室を知りました。マウス操作に慣れていた私は読み上げソフトのキーボードのみの操作に戸惑いましたが、何度も繰り返し根気よく指導していただいたので、とても助かりました。
 また、スマートフォンのちょっとした操作などを気楽に教えていただき助かりました。
 毎月のレクりえしょんでは読書や映画などの楽しみ方や、最新の機器の紹介をしていただき、大変楽しく、役に立ちました。
 卒業後も、パソコンでわからないことなど、ちょっとした相談に丁寧に対応していただき感謝しています。


Iさん (2023年卒業)

私が、生活訓練を受けることになったのは、自己流で杖歩行をしていて電柱にぶつかったり、方向を間違えたりすることが増えてきたのを見かねた友人が、歩行訓練することを勧めてくれました。
区役所の障害福祉課に相談をして日本点字図書館の生活訓練を受けることにしました。
はじめに指導員の方と相談し、訓練の期間は1年で毎週水曜日の午後に行いました。
訓練内容は、スマートホンや音声パソコンの使い方、歩行訓練(高田馬場駅周辺と自宅周辺)を行いました。訓練は、マンツーマンで教えてくれました。1週間たつと教えていただいたことを忘れてしまい根気強く教えていただきました。歩行訓練は、白杖を使用して正しい歩行方法で高田馬場周辺歩きました。「道を覚えるには、音やにおいなども覚えているように」と指導されました。周辺には、ラーメン屋が多く、点字ブロックもたくさん敷設してあり迷うことばかりでした。自宅周辺の歩行訓練は、駅から自宅までの訓練と私が希望したコンビニに買い物に歩行訓練を行いました。
今では、ひとりで白杖を使ってコンビニに行くと「ダイエットコーラ2本ですね」と店員さんが話しかけてくれます。支払いはスマートホンでポイントもたまりました。
音声パソコンでサピエ図書館からダウンロードした本や雑誌を聞くことを楽しみにしています。
物忘れ激しい私を根気強く教えてくださった指導員のかたに感謝でいっぱいです。


Iさん (2021年卒業)

「こんにちは、Aです」、「Aさん、こんにちは!Bです」
3階でエレベータのドアが開き、自立支援室ではこんな会話から始まります。
弱視で相手の顔が認識できない視力の私には、いつもホッとする瞬間です。
私の訓練は、パソコン、iPadの読み上げソフトの習得が主でした。
私にはいくつかの趣味がありましたが、視覚障害者になって、その殆どを失いました。
絶望のどん底にあって、子供の頃から50年近くも続けてきたアマチュア無線は復活できないかと思い続けてきました。
ネックのひとつは、無線交信の記録、相手局の検索、交信証明書の発行を行うパソコンソフトが視覚によることでした。
読み上げソフトは対応していません。
いや、正確に言うと、一部は読むことは読むのですが、目的するキー操作をしたとき、画面には必要な情報が表示されますが、読み上げの音声は、何も言わないか、あるいは聞きたい項目だけでなく、他の項目も全部読んでしまい、晴眼者と同じ情報が得にくいのです。
訓練のなか、先生はアマチュア無線のソフトは初めてであったと思いますが、解決策を一緒に考え、試してくれました。
例えば、カーソルを矢印から赤い十字にして対象を特定したり、画面を画像にして読ませたり、表になっているデータを個別に取り出したり。
親身になって一緒に試行錯誤してもらい、とても心強い思いをしました。
おかげで、今は毎日アマチュア無線を楽しんでいます。
課題が解決したのです。
張りのある生活です。
自立支援室で訓練を受けることができて本当に感謝しています。


Kさん (2021年卒業)

私は、三年前に点字図書館で自立訓練を受けていただきました。
私は、ITシリーズ中心で、PCトーカー、スマホ、BMスマート、リンクポケット操作などを学びました。
最初は ほとんど何も分からない状態から、マンツーマンで丁寧に教えていただき、お陰さまで色々な事ができるようになりました。先生や職員の皆様もいい方ばかりなので、毎回の授業がとても楽しかったです。世界が広がった気分です。生活に大いに役立っており、娯楽の幅も広がりました。こちらに通って本当に良かったです。
2年間の自立訓練は、あっという間に卒業してしまいました。
私にとってはとても、とても楽しくて♪忘れられないいい思いばかりの2年間でした!
本当に心からありがとうございました(^▽^)/♪☆☆☆☆☆


Tさん (2020年卒業)

自立支援のコースは、以前から来館時にどうしたら便利に暮せるかという相談に乗っていただいていたので、是非にとお願いして始めました。
 初日はやりたいこと、できなくて困っていること、自分ができていると思っていることを聞いていただいたと思います。希望どうり、歩行訓練とアイパットを使ったラインアプリの使い方を全く分からないまま始めました。
 アイパットは買ってからずいぶん時間がたっていてパスワードが分からないというところから、設定しなおしていく、それから自分でも使い方を覚えていく、どうしてもできなかったことが自分で操作してできるようになっていく驚きの時間でした。
 音声パソコンの訓練もしました。自分が思っているほどブラインドタッチができなくて、基本訓練としてみっちりやったので黙々とやりました。正確な入力が困難だったので苦労しました。また、コロナによる来館制限で対面での訓練ができなくなりあきらめかけていた時、電話でパソコン音声を聞きながらエクセルの訓練をしていただいたことがありました。遠隔での訓練は方法は改良されていきましたが、外出制限がかかるなか、自力でパソコンを使って金銭管理ができるように訓練を重ねました。頭の中で計算したいことを記録に表せることはこの時期特に必要でした。
 白杖を使っての歩行訓練は、最初に、一人で高田馬場の道を歩くところを先生方が後ろから見守って評価するものでした。そこでは、姿勢もいいし危険を避けて歩けているという評価にもかかわらず、やはり不安でした。基本から訓練を受けていくと、歩行時の情報量が増えてとても疲れるようになりました。歩行と杖の振り方のリズム、ふり幅と杖を持つ体勢がやりやすいほうに直ってしまい、注意を払って繰り返しました。道の探し方、横断歩道を渡るタイミングの確認の仕方も基本を中心に繰り返しました。音の情報を勘違いしたりまっすぐに歩けていないことで間違うことが多かった気がします。
 私は20年ほど前から白杖を持ち、視野狭窄がありながらも視力があった状態から今では手動弁の状態になりました。白杖の使い方も安全が確保できる使い方ではなく警告として人の力を借りやすいように持っているようで、見られることが前提でした。訓練が進み、アイマスクをして歩くと今までより深い注意力がわいてきました。でも結果は思っていたより歩けませんし、考えていたところと違うところにいることがありました。 私は通いたい場所があったので、地元まで先生に来ていただき、駅から目的地まで訓練を繰り返しました。
 一人で移動できる自信がついたので今も安全に通えています。分かりやすいのではと自分で考え、直線が多い裏道をルートに選びました。ガードレールや橋、電柱など難しい道でした。練習するポイントがたくさんあり、静かだったので確認しやすかったかもしれません。訓練時は車道に出たり危険な時だけ止められました。マンションのエントランスや駐車場に入り込んでしまいぬけられなくなり、確認しながら元の道に戻れた時は白杖を頼もしく思いました。橋に向かう道では坂の角度など、注意するポイントとまっすぐ歩くことのはざまで頭の中が引き裂かれそうでした。思いもよらない移動をしてしまうことがあることを覚え、危険を避けて移動できるようになっています。スーパーでスマホを使うとか、電車の乗車時の車体への歩み寄り方など一人ではできないなあと今でも難しく感じる訓練もありましたが、危ないかなと思うことは少し距離を置く余裕も持てています。手間はかかっても安心できるようになりもう少しできるようになったらいいなと工夫を重ね、生活をしています。
 親身に対応してくださり、ありがとうございました。


Fさん (2020年卒業)

 訓練を始めて7か月が経ちました。
 読み上げソフトを使ったパソコンの操作、白杖を使って安全に歩くこと、そして点字を読み書きする訓練。どれも私に取って初めてのお稽古で、最初はどれもこれも訳が分からず、泣きたくなる思いでした。それに、視覚障害者になってしまった情けなさと悔しさと不安で、心が死んでしまった思いがしました。
 それでも、少しずつ少しずつもつれた糸を根気よくほどいていくように、練習を続けました。
 歩行訓練の先生に教わって考えた手がかりを、おぼつかないタッチでパソコンのワード文書に記録し、何度も何度も読み上げソフトで聴いて、ルートを覚える作業。
 そして、訓練を重ねて一人で区役所に行けるようになった喜び!
 最初はアラビア語みたいにしか思えなかった点字が、いつしか一つ一つ読めるようになってきたこと。
 プチプチと点字を打って、自分の指先で文字を確認する楽しさ!
 今回、訓練の折り返し地点の記念に、期日前選挙に一人で区役所に行って、点字で投票しようと心に決めていました。
 訓練通りに自信を持って区役所に行き「点字で投票します」と言ったとき、心から自分のことを誇りに思いました。
 人生の半ばをはるかに過ぎても、新しいことに挑戦できる幸せがあることを教えてくださった、自立支援室の先生に感謝でいっぱいです。


Fさんご本人執筆の「歩行訓練と私」を承諾を得て一定期間掲載します。
以下のリンクを開くと、PDF形式の「歩行訓練と私」をお読みいただけます。
「歩行訓練と私」(PDF版) PDFファイル 1,735KB
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