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第13回「本間一夫文化賞」受賞者を発表

2016年10月

第13回「本間一夫文化賞」受賞者を発表 -「てんやく絵本 ふれあい文庫」代表の岩田美津子氏 -

岩田美津子氏写真  社会福祉法人日本点字図書館(本部:東京都新宿区、理事長:田中徹二、以下:日本点字図書館)は、視覚障害者の文化向上に貢献した個人・団体に贈る本間一夫文化賞の選考委員会(委員長:社会福祉法人恩賜財団済生会 炭谷茂 理事長)を9月13日に行ない、第13回受賞者を、「てんやく絵本 ふれあい文庫」代表の岩田美津子(いわた みつこ)氏に決定しました。
 先天性の全盲の主婦、岩田氏は、自身が創設した、「てんやく絵本 ふれあい文庫」での32年にわたる点訳絵本の製作・貸出の継続をはじめ、点訳絵本の郵送無料化の実現、「点字つき絵本の出版と普及を考える会」の発足など、長年にわたり視覚障害者の福祉に貢献されてこられました。  岩田氏の活動以前、視覚障害者の親が子供と楽しめる絵本は殆どなく、「わが子に絵本を読み聞かせ、絵や文字を一緒に楽しみたい」という母親としての思いから、岩田氏はボランティアらと協力し、試行錯誤の後に「点訳絵本」を発案しました。点訳絵本とは、一般に市販されている絵本の文章を塩化ビニール製の透明なシートに点訳し、原本の活字部分に貼り、また、同じシートで絵の形に切ったものを貼り付けたり、説明文を書き添えたりして、目の見える人と見えない人が一緒に楽しめるように工夫した絵本のことです。岩田氏は、この絵本を広めようと、1984年に大阪市にある自宅で、「点訳絵本の会 岩田文庫」を開設しました。1991年には現名称へ変更、2012年には、法人格を取得しました。開設当初、約100冊だった蔵書も現在は10,360タイトル、年間貸出数4,544冊、活動を支えるボランティアは約130名という規模にまで発展しました。
 この間岩田氏は、郵政省(当時)に働きかけを行ない、1987年に点訳絵本の郵送無料化を実現し読者数を増加させるなど、その推進にも大きく貢献しました。
 また、2002年から点訳絵本活動に賛同する出版社、印刷会社、研究者らと、点字付き絵本の出版の拡大を図ることを目的とした「点字つき絵本の出版と普及を考える会」を発足させ、「点字つきさわる絵本」(印刷された絵と文章の上に、樹脂インクを盛り上げた触図と、点字を印刷した絵本のこと)の出版に協力するなど、会の中心となって活動を続けています。
 点訳絵本の発案者であり、推進者でもある岩田氏の功績は、点字文化を大切にした本間一夫を記念した本文化賞の原点に立ち返るものであり、本年度の本間一夫文化賞に最も相応しい、と選考委員の総意で、この度受賞される運びとなりました。
 2016年11月12日(土曜日)、日本点字図書館で開催する「日本点字図書館オープンオフィス」にて、賞状・記念レリーフ・賞金を授与する表彰式と記念講演を行ないます。



選考委員



協賛



後援





日本点字図書館オープンオフィス

 76年にわたり視覚障害者の読書と文化活動を支える日本点字図書館が、一般の方々に視覚障害者への理解を深めていただくために、館内を開放して点字図書館の「今」を体験いただく無料イベント。
2016年11月12日(土曜日) 10時から17時、13日(日曜日) 10時から16時
関連ページ :https://www.nittento.or.jp/press/pr161007_openoffice.html



日本点字図書館について

社会福祉法人 日本点字図書館
ホームページ : https://www.nittento.or.jp/
 1940年創設。点字図書・音声図書の製作・貸し出し、中途視覚障害者のための点字教室、視覚障害者のためのIT教室、視覚障害者用具の販売等の事業を行なう。視覚障害者情報総合ネットワーク 「サピエ」の管理も行なっている。



本件に関するお問い合わせ

社会福祉法人 日本点字図書館 総務部 広報担当 内藤・成瀬
電話:03‐3209‐0241/FAX:03‐3204‐5641
Eメール:nitten@nittento.or.jp


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