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第16回「本間一夫文化賞」受賞者を発表

2019年10月

第16回「本間一夫文化賞」受賞者を発表 -独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 名誉所員の大内進氏-

大内進氏写真  社会福祉法人日本点字図書館(本部:東京都新宿区、理事長:田中徹二、以下:日本点字図書館)は、視覚障害者の文化向上に貢献した個人・団体に贈る本間一夫文化賞の選考委員会(委員長:社会福祉法人恩賜財団済生会 炭谷茂 理事長)を9月12日に行ない、第16回受賞者を、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 名誉所員の大内進(おおうち・すすむ)氏に決定しました。
 大内氏は、盲児教育における「さわる」経験の重要性を早くから認識し、それに基づいて筑波大学附属盲学校(現:筑波大学附属視覚特別支援学校)で多彩な教育実践を積まれました。その後、教員として培った豊富な経験を活かして、独立行政法人国立特殊教育総合研究所(現:独立行政法人国立特別支援教育総合研究所)で、盲教育の専門研究者として活躍をされました。視覚障害教育用の触覚図形教材や、絵画の立体的翻案とその指導法などの課題を研究し、その成果を日本を含む世界の特殊教育関係者に向けて論文等で発表したのは、大きな功績です。
 また、その活動は研究のみにとどまらず、「さわる絵」の質の向上と普及にも大きく貢献しています。具体的には、

・1999年に株式会社岩崎書店から出版された「さわってごらん……」シリーズなどの「さわる絵本」の監修
・2002年に設立されたユニバーサルデザイン絵本センターの理事としての活動(安価で種類豊富なユニバーサルデザイン絵本の一般への普及など)
・当館が出版している点字図書「ふれる世界の名画集」(2012年)の監修

……などを挙げることが出来ます。
 また、盲学校教員時代の1989年から長きに渡り、当館発行の月刊録音雑誌の製作にご協力をいただいており、2001年4月からは「ブックウェーブ」の“えつらん室 こんな本ご存じですか”のコーナーに自ら出演し、視覚障害(者)に関連する図書の紹介を、現在も続けてくださっています。
 このような研究や活動の集大成として、2014年4月には、長年ご自身の趣味で収集されていた、視覚障害者がさわって鑑賞できる「浮き彫り絵画」などの美術品を揃えた美術館と、触覚教具の資料室の機能を併せ持つ「手と目でみる教材ライブラリー」を、私財を投じて開設しました。その活動は広がりを見せ、2018年より当館が運営する「ふれる博物館」にも、準備段階から多大なご協力をいただくとともに、大内氏のコレクションをご提供いただいています。これらを通じてこの貴重なコレクションはより多くの視覚障害者の知るところとなり、更に当博物館が多くのメディアに紹介されたこともあって、「視覚障害者にとってのふれることは、晴眼者にとっての見ることと、同等に重要で有効であること」が、社会に広く周知されることになりました。
 視覚障害者の「ふれる文化」の育成に大きな貢献をされ、今後もその発展に寄与されるであろう大内氏の功績は、本年度の本間一夫文化賞に最も相応しい、と選考委員の総意でこの度受賞される運びとなりました。



選考委員



協賛



後援




日本点字図書館について

社会福祉法人 日本点字図書館
ホームページ : https://www.nittento.or.jp/
 1940年本間一夫により創設。点字図書・音声図書の製作・貸し出し、視覚障害者用具の販売等の事業、自立訓練(機能訓練)事業および指定特定相談支援事業を行なう日本最大の視覚障害者情報提供施設。視覚障害者情報総合ネットワーク 「サピエ」の管理も行なっている。



本件に関するお問い合わせ

社会福祉法人 日本点字図書館 総務部 広報担当 石出・成瀬
電話:03‐3209‐0241/FAX:03‐3204‐5641
Eメール:nitten@nittento.or.jp



PDF版

PDF版のプレスリリースは下記リンク先をご覧ください。
第16回「本間一夫文化賞」受賞者を発表




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