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録音図書ができるまで : 館内バーチャル見学
1.ボランティアさんに朗読依頼
毎月1回開かれる「蔵書選定会議」で製作が決まった図書の朗読を、ボランティアさんに依頼します。
当館では、現役アナウンサーを含む約60名の朗読ボランティアさんが蔵書製作のために活動しています。
大半が10年以上のキャリアをお持ちです。
2.下読み・下調べ
ボランティアさんには、録音する前に原本の下読みをしてもらいます。このとき、地名・人名など確認の必要な言葉の読みやアクセントを調べてもらいます。
調べた言葉は、「下調べ表」に記入。誤植は「誤植リスト」へ。
※クイズ:この漢字読めるかな? 「中立売通」
当館の調査資料室。
各種国語辞書・辞典はもちろん、諸外国語辞書、地名・人名辞典、歴史辞典、医学辞典・・・果ては“日本酒全蔵元全銘柄”まで完備!
紙の資料の他にタブレット端末も設置しています。
辞書にはない旬の言葉にも対応できます。
こんな資料がありました。『京都大路小路』
※正解は、「なかだちうりどおり」
図や表、写真の読み方もきちんと決めます。職員とボランティアさんが知恵を出し合い、よりよい表現をみつけます。
※読み始める前が大事!
これらの事前準備で、作品の80パーセントは完成していると言っても過言ではありません。
3.朗読録音
いよいよスタジオに入って朗読。パソコンを使ったデジタル録音です。
読み終わったら必ず最初から聞き直し、読み間違い等を修正してもらいます。
ボランティアさんが朗読に使うスタジオは全部で15室。録音された朗読音源は、当館のサーバに蓄積されます。
4.校正・修正
辞書が手放せない校正作業。
音源をサーバからパソコンにダウンロードし、ヘッドホンで聞きながら一字一句原本と見比べます。
「て・に・を・は」からアクセントまでしっかりチェック!
読み間違いなどがあれば、「校正表」に書き込み、ボランティアさんにお返しし、修正してもらいます。
校正→修正→校正・・・を繰り返し、ようやく音源が完成。
5.デイジー編集
ボランティアの方々のご自宅でマスター音源にDAISY編集を施してもらっています。
これにより利用時、章や見出し、ページごとに移動したり、しおりをつけたりすることができるようになります。
※デイジー(DAISY):Digital Accessible Information System の略。視覚障害などで活字の読みが困難な人のために製作されるデジタル図書の国際標準規格です。
6.CDプリント作業
この機械を使って、音源の焼き付けをします。
複数のCDを同時に複製することができます。
デイジー図書(CD図書)の完成。写真右は貸し出し用ケース。
分厚いハードカバーの図書でも、たいていCD1枚に収まります。
7.インターネット配信
サピエ図書館を通じてインターネット配信をしています。
ネット環境があればいつでもダウンロードが可能です。
本文 おわり